戦後日本で爆発的な人気を誇った『鉄腕アトム』。1952年の連載開始から日本の経済成長とともに歩み、68年まで続いた手塚治虫の人気漫画だ。テレビアニメでは最高視聴率が40%を超えるという、驚異的な数字をたたき出した。
その「アトム」を社名に、日本発のヒューマノイドロボットで世界に殴り込みをかけようというスタートアップが、2025年11月に設立された。
[社 名]株式会社アトム(英語表記:ATOM, Inc.)
[設 立]2025年11月
[資本金]1000万円
[代表者名]青木俊介
[所在地]東京都江東区
より大きなホームランを狙う
創業したのは、自動運転技術で話題を呼ぶ「Turing(チューリング)」の共同創業者兼CTO(最高技術責任者)を務めた青木俊介氏だ。青木氏は、トヨタ自動車の元執行役員ジェームス・カフナー氏などを輩出した自動運転技術開発の名門・米カーネギーメロン大学で博士号を取得。現地では自動車メーカーとの共同研究にも参画するなど、AI(人工知能)領域で道を極めてきたスペシャリストといえる。
「せっかくチューリングで大きいホームランを打った経験があるなら、より大きなホームランを狙うバッターとして立つべきだと思った」。青木氏はそう語り、チューリングを退社してアトムを立ち上げた。
創業後、26年5月までに総額約30億円の調達に成功した。さらに8月4日にはみずほ銀行と15億円の融資契約を締結。創業から1年に満たないスタートアップとしては異例の規模だが、青木氏の姿勢はむしろ強気だ。
「最初は50億円欲しいと言っていた。最後まで事業を進めるなら1000億円、2000億円単位で全然使う。でも年間5兆円の貿易黒字を生み出せるかもしれない。だったらペイできるだろうと」(青木氏)
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