製品の詳細も実機の姿もほとんど明かしていないロボットスタートアップが、2026年5月、4億ドル(約640億円)の資金調達を実現した。その会社の名は、設立から1年に満たないMind Robotics(マインド・ロボティクス)。同社は米EVメーカーのRivian(リビアン)からスピンオフしており、その評価額は34億ドル(約5440億円)に達している。前年のシードラウンドからの累積調達額は、すでに10億ドル(約1600億円)を超えている。
シリコンバレーの名門VCらが先を争って出資
投資家には、Kleiner Perkins(クライナー・パーキンス)や、Andreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ=a16z)、Accel(アクセル)、SV Angel(SVエンジェル)など、シリコンバレーを代表するVCの名前が並ぶ。本来、ロボット開発は資本集約的で商用化にも時間がかかるため、投資対象としては難易度が高い。そんな中、従来はソフトウェア投資の印象が強かった名門VCや、ハードウェア投資に慎重だった投資家も今回は先を争って投資に動いた。彼らは、まだ見えない製品の何に懸けたのかか。
答えは、ロボットの性能だけではない。同社を生み出した「リビアン」の独特な会社のつくり方にある。
リビアンは、電動ピックアップトラック「R1T」やSUV「R1S」、Amazon(アマゾン)向け配送バンを手がけるアメリカの新興EVメーカーだ。アメリカ国内のEV専業メーカーではTesla(テスラ)に次ぐ生産規模を持ち、次世代量販SUV「R2」でテスラを追う存在だ。
今、アメリカでは、AIが工場や倉庫、家庭などの物理世界で動く「フィジカルAI」への投資が急増している。中でも象徴的なのが人型ロボット(ヒューマノイド)で、それらを開発する企業に熱い視線が注がれている。Figure AI(フィギュアAI)は高い評価額で注目を集め、テスラも「Optimus(オプティマス)」を将来の中核事業に据える。そしてリビアンも同様のロボット事業に乗り出している。
ただテスラとの違いは、事業戦略の考え方だ。
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