「ヌーッ!ヌーッ!」
感情が高まるとラッパのようにくちばしを伸ばして叫ぶ、ペンギンのピングー。大画面の中で軽快なラップに合わせて飛び跳ね、体をぐにゃりと変形させる。目の前で同じ動きをまねるのは人間には至難の業で、必死に踊るほど見ているこちらも自然に笑いがこぼれる。
ここは東京・有楽町の東京国際フォーラム内。ソニーミュージックグループが2026年7月に開設した展示施設「YURAKUCHO MUSEUM」だ。そのこけら落としを飾るのが、9月6日まで開催される「可愛いだけじゃない!?ピングー展」だ。
ピングーの物語の舞台は南極だが、会場は遊園地をテーマに赤、青、黄色の原色を使ったポップな空間に仕上げられている。実際のアニメ制作に使われたクレイ人形も並び、粘土ならではの質感や、制作にかけられた手間が間近に感じられる。
体験エリアには、画面の前に立つと、パッと自分の顔がピングーに変身する仕掛けも用意されている。来場していた20代のカップルは顔を見合わせて、顔だけピングーになった自分たちの姿を撮影しようと、ついスマートフォンを構える。平日の昼下がりにもかかわらず来場者は絶えず、誰もが思い思いに作品の世界に入り込んでいた――。
「今日の商談はピングーばかりだ」
スイス生まれのキャラクターであるピングー。1990年代にアニメで人気を博したものの、新作の供給が途絶えると、メディアへの露出は徐々に減っていった。ところが今、劇的な復活を遂げている。
かつて親しんだ30~40代の女性から若い世代までファン層が広がり、関連商品の売上高は前年比で約2倍に拡大。足元では商品化の問い合わせが相次ぎ、担当者たちが「今日の商談はピングーばかりだ」と漏らすほどだ。
キャラクターが次々と生まれ、埋もれていく「IP戦国時代」にあって、なぜピングーが勢い付いているのか。立役者となったのが、ソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)の子会社であるIPビジネス企業、ソニー・クリエイティブプロダクツ(以下、SCP)だ。
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