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前編では、ペロブスカイト太陽電池をめぐる研究開発の最前線と、社会実装に向けたさまざまな展開可能性を論じた。これを受けて今回の後編では、ペロブスカイト太陽電池の普及・拡大、そして将来的な産業化に向けた課題を整理し、それを乗り越えるための支援政策のあり方について論じる。
ここでは、「コストをいかに下げるか」が決定的に重要な課題である。
政府は2024年に発表した「次世代型太陽電池戦略」において、GI(グリーンイノベーション)基金を活用しながら、コスト(=LCOE [Levelized Cost of Electricity]:均等化発電原価。「初期投資額(本体・工事費等)+運用保守費」を「生涯発電量」で割った「発電量単位(kWh、キロワット時)当たりのコスト」)を、30年までに14円/kWhに引き下げることを目指すとうたった。40年までに10~14円/kWh以下の自立化水準を目指すとされている。現状ではペロブスカイト太陽電池のLCOEは、シリコン太陽電池の2〜3倍、つまり20〜40円/kWh程度と推定される。果たして、目標達成は可能なのか。
ペロブスカイトの均等化発電原価(LCOE)
ペロブスカイト太陽電池のLCOEに関する最新の学術的な分析(Bhati et al. 2026)によれば、低コストの材料と製造装置を使用した場合、ペロブスカイト太陽電池の達成可能なLCOEは、約0.051ドル/kWh、すなわち約7.9円/kWh(為替換算は、1ドル = 156円想定)になるとの結果が示されている。40年時点で、ペロブスカイト太陽電池のLCOEがこの水準に下がるのであれば、十分に産業競争力を持ち得ると言っていい。
また、この試算前提が示唆するのは、ペロブスカイト太陽電池の効率が24%を超え、かつ寿命が15~20年程度の技術水準が要求されるということである。すでに商業化をスタートしたイギリスのOxford PVでは、タンデム型のペロブスカイト太陽電池の公表数値として、効率が24.5%で製品保証が10年となっている。このため、上記のLCOEの数値は、寿命が改善して製品保証の期間延長がなされた場合、十分に現実的な価格帯であることが理解できる。
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