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ビジネス #徹底解説 ペロブスカイト太陽電池

国産技術のペロブスカイト太陽電池、普及にはコストダウンに加え、「需要創出」を促す大胆な戦略が不可欠〈後編〉

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フィルム型ペロブスカイト太陽電池(写真:エネコートテクノロジーズ)
  • 諸富 徹 京都大学大学院経済学研究科教授
  • 尾形 清一 京都大学大学院エネルギー科学研究科准教授
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次に、日本の試算条件をみると、経済産業省の発電コスト検証における40年のペロブスカイト太陽電池のLCOEは、現時点で、政策経費除き15.34円/kWh、政策経費込み16.44円/kWhと試算されている。上記の分析(Bhati et al. 2026)によれば、高コストの材料や製造費用を使用した場合のLCOEは、約0.114ドル/kWh(約17.8円/kWh)と推定される。つまり、経産省試算の「政策経費込みのペロブスカイト太陽電池」のLCOEであっても、現時点で学術的に想定できる高コストモジュールのペロブスカイト太陽電池よりも、低い水準となる。

上図は、40年時点でのペロブスカイト太陽電池の政策経費込みの試算結果(16.44円/kWh)を、他の電源コストと比較したものだ。40年のLCOEとして、浮体式洋上風力、小水力、バイオマス専焼/混焼、LNG専焼、脱炭素火力(LNG水素10%混焼、水素専焼、アンモニア20%石炭混焼、アンモニア専焼、CCS付きLNG火力、CCS付き石炭火力)およびガスコジェネのLCOEよりも低いとされていることは重要である。

つまり、40年時点で脱炭素火力のLCOEは、ペロブスカイト太陽電池のLCOEよりも高いと推計されており、40年に脱炭素火力の代替としてのペロブスカイト太陽電池の大規模導入も予見できる。以上の諸データ/推計値から判断すると、ペロブスカイト太陽電池の経済性や将来性は高く、その量産化や研究開発投資を加速するべきだと結論づけるのが合理的である。

国際競争力がある価格に向けた視点

それでは、30年/40年に向けてLCOEを引き下げるには何が必要なのか。以下、4点(①量産化によるコストダウン、②面積当たり製造コストダウン、③封止材などの部材のコストダウン、④劣化率の抑制/耐久性の向上)を挙げたい。

1点目の量産化は、極めて重要だ。これは、シリコン太陽電池における価格の劇的な低減(学習効果)からも明らかであろう。

2点目は、roll-to-roll製造などによるスループット向上により、面積当たり製造コストを低減することである。下写真は、京都大学発ベンチャーのエネコートテクノロジーズによる最新roll-to-roll製造でのペロブスカイト太陽電池製造の一例である。

ペロブスカイト太陽電池の研究開発をリードする若宮・京大教授(中央)と、筆者(左が尾形・京大准教授、右が諸富・京大教授)(写真:編集部撮影)

3点目は、ペロブスカイト層以外の封止材、基板、電極、ジャンクション部材などをペロブスカイト太陽電池向けに最適化し、低コストモジュール化を加速させることである。

そして4点目は、ペロブスカイト太陽電池の劣化率を抑制し、寿命期間中の総発電量を増加させることである。

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