2026年2月28日に始まったイランとアメリカとの戦争は、6月の停戦協定の破綻後、次第にエスカレートしつつある。膠着状態の中で、いかに戦線を有利にするかという課題も見えないまま、ずるずると戦争は拡大している。アメリカが早期に解決できない可能性も大である。
一方のアメリカ経済は、国内で財政赤字に苛まれている。イラン戦争の出費で1兆ドルを超す国債を発行せざるをえず、総額40兆ドルになる赤字を抱えている。
これによって、ドルへの信頼が揺らぎ、ドル離れも起きつつある。オランダの国立銀行をはじめ多くの国立銀行がアメリカに預けてある金を移転させはじめている。
ドルへの信頼の崩壊
さらに政治においても、26年11月の中間選挙が迫っている。トランプ政権を支える共和党が勝利できなければ、くすぶっている「エプスタイン問題」が再燃し、大統領への弾劾が可決するかもしれない。そうなれば、トランプ政権は崩壊する。
エプスタイン問題とは、アメリカの富豪ジェフリー・エプスタイン氏による未成年女性に対する政敵人身売買事件の捜査資料を、アメリカ議会が開示を義務づける法律を可決した。これにエプスタイン氏とトランプ氏が関わった事実が記載されているのではないかとの疑惑だ。
第2次世界大戦後の世界を牽引してきたアメリカは、そのおごりによって暴走し自壊しつつあるともいえる。唯一の例外国として国連の中にいながら外にいるように振る舞い、国連や国際協調を裏切ってきたアメリカが、その裏切りによって世界の諸国の信用を喪失しつつある。
アメリカが世界の中心たるゆえんは、IMF(国際通貨基金)体制の根幹であるドルへの信頼にある。その信頼があればこそ、世界はドルを蓄積し、ドルによる貿易を実行してきた。
もちろんそれを支える暴力装置である世界中にはりめぐらされているアメリカ軍基地の存在、圧倒的軍事力の優位、さらには、世界の情報を手繰る衛星や情報組織を使った政治的ヘゲモニーによって裏付けられている。
民主主義国の同盟といわれる、NATO(北大西洋条約機構)などの軍事同盟が、アメリカの兄妹国「ファイブ・アイズ」(アメリカ、イギリス、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア)を中核として、その周りにEU諸国、そして日本や韓国などのアジア諸国、外環部にエネルギー資源を握るサウジアラビアなどの原油生産国といった国々によって形成され、世界を支配する不沈空母として存在している。
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