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「国債はいくらでも発行できる」の危うさ、MMTブームの先に待つ円安・インフレ・国家財政破綻の歴史的教訓・上

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第1次世界大戦後、1920年代のドイツ・ベルリンの銀行に札束が積み上げられている(写真:Apic/Getty Images)

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2026年7月中旬、日本の株価が急落した。AIやロボット産業の未来が「バブルにすぎないのでは」という危惧が市場を動揺させたからだ。しかし問題はそこにはない。むしろ大きな原因は、アメリカ国債の利率の上昇が株価に深刻な影響を与えていることだ。

公債の利率の上昇は、各国の公債が無限に増え続けていることへの不安の表れである。日本の公債もどんどん増えている。それを支えているのが「現代貨幣理論」という奇妙な理論だ。

世の中には同じような理論が衣を変えて、何度か出現する。それはいつの時代も同じ問題を抱えているからだ。そうした理論は出てくるたびに、過去を忘れまったく新しい理論だとして登場し、今度こそ完璧な理論だと豪語する。

似たような理論が繰り返して登場する

しかし、時が過ぎてみれば一過性の熱病に冒されたことになるのだが、窮地に陥ったときはわらをもつかむ気持ちでそれにすがる。

確かに政府は税金を上げることを嫌う。だから公債に頼りがちになる。カナダ出身でハーバード大学名誉教授の経済学者ジョン・ケネス・ガルブレイス(1908~2006年)はこう述べている。

「価格インフレに対しては、政府支出を減らし、税金を高くすることが必要である。こうした措置は政治的には非常に合意が得がたいのみならず、新しい型のインフレに対してなかなか効果を発揮しない」(『経済学の歴史』鈴木哲太郎訳、ダイヤモンド社、1988年、381ページ)

19年に一時的にはやったMMT(Modern Monetary Theory)理論なるものも、そうしたものかもしれない。今でもこの理論にすがり、公債の過剰発行を繰り返し、国家破綻はないと喧伝している人々がいる。

それが一国の政策として採用されれば、その被害がとてつもなく大きいことは間違いない。しかし、それに気づいたときは、時すでに遅しである。

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