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そごう・西武が発表した新たな経営体制が大きな波紋を広げている。10月1日付で行う組織変更と取締役ら幹部の人事異動は、改装中の西武池袋本店(以下、池袋本店)の全面開業が遅れる中での実施となるからだ。
約17年間にわたりセブン&アイ・ホールディングス傘下にあったそごう・西武は、2023年9月にアメリカの投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループへと売却された。フォートレス傘下に入った後は、旗艦店である池袋本店の全面改装を始め、小型店舗の出店やそごう横浜の本店化など「攻めの経営」に転じた。その一方で、西武渋谷店をはじめとする不採算店の整理を進めている。
人事で最も衝撃的だったのは、田口広人会長の取締役退任だ。9月末での取締役退任後も会長職を引き続き務めるとはいえ、そごう・西武出身者として唯一、経営陣に残っていた田口氏がいなくなることの意味合いは大きい。
経営陣からそごう・西武生え抜きの役員が一掃され、フォートレスの幹部や、彼らが連れてきたコンサル出身者などで固められることになった。そのため、「そごう・西武の幹部を追い出し、フォートレス体制への完全移行を進めている」との見方が広がっているのだ。
池袋本店長もすげ替え
同時に発表された執行役員人事のインパクトも大きかった。池袋本店の店長である寺岡泰博氏は、10月1日付で外商事業部の東京営業部長に異動する。しかも執行役員から外れることになった。
寺岡氏は、そごう・西武の労働組合委員長として、23年に実施した61年ぶりとなるストライキを主導した。労組委員長の本店長抜擢は極めて異例だったが、大幅に遅れていた池袋本店改装のスピードアップを期待されて25年5月に起用された。にもかかわらず、就任からわずか1年あまりという短期間で退任に追い込まれ、「いったい何があったのか」と業界内でさまざまな観測を呼ぶ事態になった。
関係者によれば、「スピード感が欠けているから」というのがこうした人事を断行した表向きの理由。確かに当初25年夏にも予定されていた池袋本店の全面開業は、かなり遅れている。そのため、フォートレス出身でそごう・西武の社長を務める劉勁(りゅう・じん)氏ら経営陣が、「このままそごう・西武出身者に任せておけない」として退任させたとみられている。
だが、「そごう・西武の出身者を追い出したところで根本的な問題は何も解決せず、全面開業は27年までずれ込む」との声がもっぱらだ。
「そもそも田口氏や寺岡氏が就任した時点で社内は大混乱に陥っており、池袋本店の改装は大幅に遅れていた。彼らのせいにするのはお門違いだ」
今回の人事を見たそごう・西武関係者からは、こうした声が数多く上がる。
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