西武労組、ストを決断した社長との対決の舞台裏 寺岡・労組委員長「井阪社長は腹を割って話すことがない」
誰がメディアにリークしているのか?
週が明けた月曜、28日の午後1時半から旧体制の経営陣とは最後となる団体交渉が行われた。前回、23日の団体交渉のあとも、様々な報道が飛び交っていた。多くのメディアが、9月1日が会社売却の完了日だと報じている。
しかし会社側からは、相変わらずなんの正式な情報提供もなかった。誰がメディアにリークしているのか分からないが、直接の利害関係者である社員や、労働組合に対してなぜ最優先で情報提供されないのか。
報道されているような、9月1日の売却完了は事実なのか。「いま決まっていることはない」「報道されていることは事実ではない」は井阪社長の常套句だったが、その言葉を鵜呑みにできないのは明らかだった。
この日の団交に臨むにあたり、出席する三役のメンバーには、「今日が最後の協議になるかもしれないから、言いたいことが言えなかったと後で後悔しないように、思いの丈を包み隠さずぶつけてくれ」と伝えていた。ホールディングスの取締役に忖度することなく、組合員の代弁者として言いたいことを言ってほしかった。
いつもは大人しい後藤も、今日は顔を紅潮させている。
池袋本店書籍館9階の役員大会議室で行われたこの日の団体交渉では、井阪社長が例のごとく報道を否定し情報漏れはないと強弁した。
「いまの段階でもクロージング日をいつにするかまだ決めておらず、どこからリークされているのか遺憾であり、残念です」
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