4月の本欄では、多くのショックに見舞われた米国株式市場について以下の点を指摘した。
・イラン戦争の渦中でも、アメリカの企業業績見通しは堅調であり、時間の経過とともに株価は回復していく可能性が高い
・アメリカ中間選挙で上下両院を民主党が奪還する可能性が生じている
・データセンター建設への反対運動が高まっており、論点が政治化されるリスクがある
・こうしたリスク要因がある中でも、S&P500は「業績相場」主導の展開で、年末水準として7777ポイントを目指す
あれから5カ月が経過した。状況をアップデートしてみたい。
まずアメリカ経済については、大きな変化は見られない。労働市場は移民減少や高齢化などによる構造変化はあるが、「採用にもリストラにも慎重な姿勢(no hire, no fire)」を維持している。インフレは高止まりしているものの富裕層消費は堅調で、中間層も「賢い消費」を継続している。とりわけAI関連投資やインフラ投資がアメリカ経済を強力に牽引しており、第3四半期(7~9月)の実質GDPも5%台の力強い成長が見込まれている。
企業業績は、S&P500構成銘柄のEPS(1株当たり)成長率は第1四半期が前年同期比29.4%増、第2四半期が53.4%増となり、通年でも35%程度の増益が見込まれている(市場集計ベース)。4月の段階では通年でプラス19%と見込まれていたが、イラン戦争が長期化する中でも、アメリカ企業の業績上方修正は継続している。こうした業績の好調さを受けて、S&P500は8月13日に史上最高値の7798.99ポイントまで上昇した。3月末の安値から23%弱もの高騰ぶりだ。
すでに織り込まれた“民主党の躍進”
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