「中央銀行」が金利を操作するのはなんのためか 雇用や経済成長に多大な影響を与える金利の話

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日本銀行本店
中央銀行は、自動車のブレーキとアクセルのように短期金利を操作します(写真:yama1221/PIXTA)
私たちが生きている、かつてないほど豊かなこの現代社会を可能にしたのは、経済の力だ。そして、文明の歴史は経済発展の歴史でもある。では、その経済を、経済学者たちはどのように考えてきたのか。現代の経済学者は何に取り組んでいるのだろうか。
農耕革命から人工知能まで、経済や経済学の発展の歴史をわかりやすく解説する、2024年12月に刊行された『読みだしたら止まらない 超凝縮 人類と経済学全史』より、一部抜粋、編集のうえ、お届けする。

すさまじいハイパーインフレ

読みだしたら止まらない 超凝縮 人類と経済学全史
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1980年代には経済政策当局者のインフレ抑制策に着実な進歩が見られた。

人類はそれ以前、インフレの最もはげしい形態であるハイパーインフレーションを経験していた。

第一次世界大戦後のドイツと同じように、第二次世界大戦後のハンガリーで、とてつもないハイパーインフレが発生した。

年間のインフレ率は一時、41京9000兆%にも達し、ハンガリー政府は1垓(がい=10の20乗)紙幣の発行を余儀なくされた。

1989年、アルゼンチンでは物価が毎月2倍上昇し、やがて紙幣の供給途絶が発表される事態となった。紙幣を刷りすぎて、紙を使い果たしてしまったのだ。

ロバート・ムガベ政権下のジンバブエで発生したハイパーインフレでは、毎日、物価が2倍上昇した。

そのせいで大手銀行のATM(現金自動預払機)で、「データ・オーバーフロー・エラー」が生じるということも起こった。引き出し額の数字の桁が増えすぎて、処理できなくなったことが原因だった。

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