40年の低金利、「新たな資本主義」模索の象徴か 『金利の歴史』『物価の歴史』など書評3点

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ブックレビュー『今週の3冊』

 

[Book Review 今週のラインナップ]

・『金利の歴史/物価の歴史』

・『ほんとうの日本経済 データが示す「これから起こること」』

・『日本の反戦非戦の系譜 アジア・ビジョンをどう描くか』

『金利の歴史/物価の歴史』平山賢一 著
『金利の歴史/物価の歴史』平山賢一 著(書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします)

評者・BNPパリバ証券経済調査本部長 河野龍太郎

1月24日、日銀は6カ月ぶりに政策金利を0.5%に引き上げ、17年ぶりの水準とした。植田和男総裁は、経済を均衡させる中立金利には相応の距離があるとし、経済と物価が見通しに沿って推移するなら利上げを継続すると明言している。

過去40年間の低金利という謎 「新たな資本主義」模索の象徴か

過去30年、1%超の金利は観測されていない。世界に目をやると、1980年代以降、金利とインフレの低下局面が続いたが、2021年ごろから様相は変わった。10年代後半に米中新冷戦が始まり、国際秩序も大変貌している。

世界的に高金利時代が到来するのか。日本の借金は持続可能か。ドル基軸通貨体制は維持されるのか──。米トランプ第2次政権が開始し、その影響を不安に思う人も多いだろう。今こそ歴史に学ぶ必要がある。長年ファンドマネジャーを務め、戦前、戦間期の金融史にも詳しい著者が「金利」と「物価」の歴史をまとめた。時宜を得た刊行だ。

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