まず、樽詰め生ビール「ザ・プレミアム・モルツ」(380ml)と、第3のビール「金麦生樽」(700ml)を合わせた杯数は、6万8000杯であった。また、「金麦生樽」の最高販売量を記録したのは、「鳥貴族 出町柳店」(京都市左京区、99席)で20ℓが約58本であった。さらに「角ハイボール」と「ジムビームハイボール」は約2万1000杯であった。
鳥貴族の客層は20~30代、男女の学生やビジネスパーソンが主体で繁華街などの繁盛店で、回転数は2.1回だった。大倉は飲料・フードのレギュラーメニューと春夏・秋冬の季節メニューをつねに見直し、問題があれば差し替えたり、ブラッシュアップしてきた。それは半永久革命的な取り組みであり、鳥貴族の「280円均一」メニューは、もはや競合他社にはまねできないレベルにまで昇華してきている。
大倉は昨年から「280円均一を守ろう」プロジェクトチームを立ち上げた。そのうえで昨年10月からスタートした食材の100%国産化、人手不足からくる人件費高騰の問題などコストアップ要因に対応するために、生産性の向上に取り組んでいる。
大倉がこう言う。
「客単価2000円に甘えずに生産性を向上させ、280円均一料金を守っていきたいと思っています。なお、以前は『全品280円均一』と表記していましたが、消費税増税への対応もあり、『全品280円(税抜)均一』という表記に改めました。将来、消費税が8%から10%に上がったとしても『280円均一』をできるかぎり守っていく方針に変わりはありません。そのためにはもっと生産性を高め、規模の経済を発揮する必要があります。出店加速のために大手ファストフードから事業部長クラスを3名採用したほか、メーカーの元工場管理者をコンサルタントに採用、今期から厨房改革プロジェクトを立ち上げ、最適の厨房開発に取り組んでいます」
生産性の向上、効率経営の追求
大倉はこれまでも生産性の向上に努めてきた。生ビールはボタン1つですぐに適量が注げるビールサーバーを導入している。また、焼き鳥は創業して間もなくから炭火焼のこだわりを捨て、電気グリラーを導入した。導入後も厨房機器メーカーと協力して、つねに改良を繰り返してきた。
大倉はすでに貴族焼など焼き鳥の注文はオーダープリンタだけではなく、キッチンモニターにも表示される最新の仕組みを導入した。また焼き鳥を焼くグリラーは遠赤外線を活用、最新改良型は燃え上がらないシステムで、焼き鳥がちょうどよい焼き加減で仕上がる。
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