「鳥貴族になりたい」競合の仁義なき模倣合戦

専門居酒屋が台頭する時代がやってきた

居酒屋業界にはなぜ模倣業態が乱立するのでしょうか(撮影:今井康一)
リーマンショック後の不況期に居酒屋業界で吹き荒れた激安・均一価格競争に大勝した鳥貴族。あのワタミを上回る500店を突破し、将来は1000店体制を見据える。外食業界を30年以上にわたって取材してきた筆者が鳥貴族の正体に迫る短期集中連載の最終回は、「鳥貴族症候群」とでも呼ぶべき模倣業態の乱立、かつての流通業界と同じく総合店が衰退し、専門店が台頭する居酒屋業界の構造問題に切り込む。(編集部)
第1回:「鳥貴族」がワタミをついに追い抜いた理由(2017年2月14日配信)
第2回:「鳥貴族をつくった男」の知られざる悪戦苦闘(2017年2月15日配信)
第3回:鳥貴族だけが激安・均一競争に大勝した意味(2017年2月16日配信)

成功業態を模倣するのが居酒屋業界の常

鳥貴族のような強力無比の成功業態が出てくると、これを模倣した業態が必ず出てくるのが居酒屋業界の常だ。

コロワイドは激安・均一価格戦争で独り勝ちした鳥貴族に追随する焼き鳥専門店業態を開発した。2012年6月、看板の色やメニューまで鳥貴族を彷彿させる焼き鳥専門店チェーンの第1号店「やきとりセンター」新宿東口店を開店した。「岩手大地鶏」を使った焼き鳥を提供しているのが特徴だ。「やきとりセンター」の料金は、基本的に399円均一だが、焼き鳥は2本で280円均一とし、鳥貴族と同じ価格に設定している。

この新宿東口店ではオープン感謝企画として開店から3日間、「全品139円フェア」を開催した。これは当時、鳥貴族が新店を開店するときに2日間、「全品140円均一」の激安価格で販促をかけ、集客するのと同様の戦略だ。鳥貴族では現在は開店2日間、「ドリンク全品99円」に変更しているが、広告宣伝をいっさいやらない鳥貴族が新規開店のときに実施する、「全品140円均一」の販促は多くの居酒屋チェーンに、恐怖心を抱かせていたようである。

コロワイドは均一価格居酒屋だった「えこひいき」の業態転換を含めて「やきとりセンター」を現在までに32店舗展開している。客単価は2500~3000円だ。ただ、筆者は「やきとりセンター」の新宿歌舞伎町店に入ったが、焼き鳥の品質・ボリュームは鳥貴族に及ばないと思った。

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