2018年新卒者に対する企業の採用意欲は、昨年に続いて高い傾向です。最近、筆者が担当する部で行った独自調査(対象企業数580社)でも、採用計画は例年どおりが半数以上で、昨年以上と答えた企業も3割に達していました。毎年多くの新卒者を採用している東名阪の大手企業の就職支援をする中で、筆者が感じた2018年新卒採用に向けたテーマについて紹介しましょう。
エントリーは「数」だけでなく「質」も重視
積極採用企業の多くは、これからの人口減少社会の中でも企業規模を維持し、より事業を拡大したい、事業展開のスピードを速めたい、という考えをもっています。採用人数の確保と定着・早期戦力化が、経営計画の一環になっているのです。
不動産・流通・サービス企業などの役員や人事のトップの方から、今年頻繁に聞こえてきたのは、2つの「生産性を高めたい」という声でした。
1つは、採用活動の生産性です。昨年から就活スケジュールが変わったことで、就職活動をする学生だけでなく企業にとっても、採用活動期間は短縮。目安となる内定式までに、いかに採用効率の高い展開ができるかが課題になっています。単にエントリー数を増やすことよりも、きちんと説明会に来て選考会に残る学生を増やしたいのです。
そしてもう1つは、文字どおり事業活動の生産性です。採用した人材をより早く戦力化したい。そのために採用・定着・戦力化を一体でとらえ直し、早期離職せず活躍する人材を採用することを真剣に考えています。
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