日経が「動画事業」に本腰を入れるワケ 動画ベンチャーのViibarに出資

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動画制作がコモディティ化した現在、適切なコストをかけて制作した質の高いものが求められている(写真:kikuo / PIXTA)

日本経済新聞社がまた、新たなチャレンジに乗り出した。

同社は17日、デジタル動画制作会社のViibar(ビーバー)との資本業務提携をプレスリリースで発表。Viibarが1月に実施する約4億円の第三者割当増資の一部を引き受けるという。この提携を受けて、両社で共同の動画制作体制を構築し、急成長するデジタル動画市場に対応する。

同プレスリリースで具体的な業務提携内容として挙げているのは、3つのプロジェクトだ。1)「NIKKEI STYLE」のコンテンツ開発および広告販売、2)動画広告商品の共同開発および販売、3)企業動画のコンテンツマーケティング支援となる。また、日本経済新聞社では、コンテンツマーケティング支援に特化した新組織「Nブランドスタジオ」を立ち上げる予定となっており、そこでもViibarとの協働を行っていくという。

なお、「NIKKEI STYLE」は、日本経済新聞社が2016年2月14日にローンチしたライフスタイルメディア。同サイトは12月現在、月間1700万PVを達成している。

約335万人の総会員数(有料会員は50万人)を誇る「日経電子版」ではサブスクリプションモデルを採用しているが、分散型に対応した「NIKKEI STYLE」ではフリーミアムな広告モデルを採用。そのため、こちらは誰でもすべての記事を無料で閲覧できるところが特徴だ。

日本経済新聞社は、「NIKKEI STYLE」や「Nブランドスタジオ」を通したViibarとの取り組みに、どんな未来を描いているのか? 両社の代表に話を聞いた。

従来とは異なる動画事業

この記事はデジタルマーケティング戦略に特化したメディア「DIGIDAY[日本版]」(運営:メディアジーン)の提供記事です

「テレビ東京をはじめ、テレビ・映像をメイン業務とするグループ企業はいくつか存在する。しかし、デジタル動画に特化した企業はなかった」と、今回の取り組み対して、日本経済新聞社のデジタル事業担当 常務取締役 平田喜裕氏は語る。「デジタル動画に対するノウハウは、既存のテレビ・映像事業とはまったく違う。スピード感を上げて対応するには、資本業務提携するのが一番という結論に至った」。

これまでの動画事業は、映画やテレビをはじめ、大半が大掛かりのものだった。しかし、デジタル時代に突入し、動画制作がコモディティ化した現在、粗製乱造したものではなく、適切なコストをかけて制作した質の高いクリエイティブが求められている。

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