週7日飲酒?赤提灯に集う「暗黒女子」の正体

仕事に疲れた彼女達は横丁に「家族」を求める

「おじさんの街」という印象が強い野毛だが、今や若い女性たちの姿も珍しくない(写真は神奈川県・横浜市中区の「野毛☆大夢」。撮影:今祥雄)

渋谷、新宿、三軒茶屋、立石、横浜の野毛などの盛り場に出入りする若い世代が増えている。かつての闇市や赤線・青線の跡地にできた飲み屋街である。それらの盛り場の客といえば、かつてはほぼ男性だけであり、女性は店の女将か、酒の相手などをする「酌婦」として働くのが普通であった。ところが近年は、客のほうに若い女性が増えている。

もちろん、すでにバブル時代には小ぎれいな焼鳥屋であれば女性だけで出入りするようになっていて、そういう女性を当時は「オヤジギャル」と呼んだ。だがまだ、闇市跡にできた猥雑な飲み屋街にまで入っていく女性は少なかっただろう。

「女性ウケ」狙った店より、焼き肉、ホルモンがお好き

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それが今や、女性たちは闇市跡の盛り場にまで進出している。その理由の1つに、おしゃれな洋風のバルなどができて女性が入りやすくなったこともある。典型的なのは、吉祥寺の「ハモニカ横丁」だろう。ただ、彼女たちが必ずしもこうした「女性ウケ」を狙った店を選ぶとは限らない。彼女たちが喜んで入り込む店は今や、ホルモン屋だったり、あるいはもっと奇妙なげてものを食べさせる店であったりするのだ。

私はこうした昔からの猥雑な飲み屋街に出入りし、焼き肉やホルモンなどを食べる女性を「暗黒女子」と名付けた(拙著『毎日同じ服を着るのがおしゃれな時代』)。2016年から始まった再開発工事のために今はなくなってしまったが、武蔵小山駅周辺の闇市跡の飲み屋街を地元の人々が愛着を込めて「暗黒街」と呼んでいて、その暗黒街の魅力に取りつかれた2人の女性と知り合ったためである。

いったいなぜ、彼女たちは飲み屋街に惹きつけられるのか。今回は、その理由を明らかにするために、「三角地帯」と呼ばれる飲み屋街のある三軒茶屋と、桜木町駅をはさんで横浜みなとみらいの反対側に広がる野毛で、それぞれ女性たちにインタビューを試みた。自由にお店を指定してもらったところ、彼女たちが選んだのは、なんと2組とも焼き肉店だった。

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