留学費用を「現地に行ってから稼ぐ」手もある 豪州では17年から35歳までワーホリ可能に?

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この有給インターンシップを活用したのが、ホテル勤務のTさん。

■Tさんの場合(31歳 女性 ホテル勤務)

千葉県のホテルでフロントデスクの仕事をしているTさんは、自身のスキルアップのため、海外の一流ホテルで経験を積みたいと思っていました。彼女の場合も、1年後に控えている結婚費用を貯めるため、滞在中の予算はできる限り抑える必要がありました。そこで選んだのが、アメリカでのホテル有給インターンシップです。

書類選考とオンラインでの事前面接の結果、フロリダのリゾートホテルに1年間の採用が決まりました。今までの経験が認められ、月給は1000ドル(11万7600円程度)、従業員用の宿舎もあてがわれます。

最初の3カ月は、英語でのやり取りや業務のスピード感、ホテルの規模の大きさに戸惑う毎日でしたが、持ち前のガッツやきめ細やかな気配りによって、徐々に宿泊者や上司からの評判も上がっていきました。

同僚は、現地のアメリカ人だけではなく、ヨーロッパや南米などからTさん同様インターンとして来ている人も多く、同じ夢を共有できたことでさらにモチベーションの向上につながったようです。帰国前には、ホテルの優秀社員にも選ばれ、自信をつけて帰国することができました。

ホテルで稼いで留学諸経費すべてカバー

さて、彼女の収支を見てみますと、インターンシップの手配や、この制度を活用するのに必要なJ-1ビザの取得費用を合わせて約70万円、現地での生活費・食費が約60万円で計130万円。対してホテルで稼いだ給与は合計1万2000ドル(約141万円)であったため、支出の分は十分稼げたことになります。

さらに帰国後は、リゾートホテルの同じ系列の外資系ホテルに就職が決まり、年収アップにも成功しました。

ここまでは社会の例を中心に紹介してきましたが、学生こそ留学のおカネの問題は深刻です。でも、打つ手はあります。実はアメリカには、大学生・大学院生だけが参加できる短期の有給アルバイトの制度があるのをご存知でしょうか。

学生ならば、ワーク・トラベルで小遣い稼ぎも

(4)アメリカのワーク・トラベル制度

夏にアメリカを旅行した人は、ホテルやレストランなどで同じ制服を着た大学生がアルバイトをしている姿を見かけたことがあるかもしれません。彼らは、米国国務省が監督しているJ-1ビザの「ワーク・トラベル制度」で渡米し、アルバイトをしている大学生です。

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