留学費用を「現地に行ってから稼ぐ」手もある 豪州では17年から35歳までワーホリ可能に?

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■Hくんの場合(20歳・男性 大学生)

都内の私立大学に通うHくんは、理工学部の2年生。バイト先の先輩からアメリカの国立公園でアルバイトをして人生観が変わったという話を聞き、6週間のワーク・トラベルに挑戦することに決めました。アメリカの雄大な大自然を一度見てみたいと思っていたものの、通常の語学留学だと費用的に厳しいからと諦めていた中で、自分にぴったりだと感じたそうです。

無事に雇用主との事前面接やビザの申請も終わり、ワイオミング州・モンタナ州に跨がるイエローストーン国立公園のロッジでのアルバイトがスタートしました。

年間450万人が訪れるという全米でも屈指の人気を誇る国立公園のピーク時期ということで、客室は観光客で満室。ベットメイキングをするのが彼の仕事でしたが、最初の1週間はあまりの忙しさに、バイトと睡眠だけの生活だったといいます。アメリカ人上司の指示を聞き取るだけで必死、という状況でしたが、バイトの同じチームにいた同じ年のドイツ人学生から教えてもらって、だんだん慣れてきました。

2週間を過ぎた頃、給料を小切手でもらいました。金額は500ドル(約5万8000円)ほどでしたが、彼にとっては海外で働いて勝ち取った給与という実感があり、嬉しかったといいます。

もちろんバイト以外の日々も充実しており、休みの日には仲良くなったドイツ人やスイス人の友人と泊りがけでトレッキングを敢行、道中で動物たちと遭遇したり、夜は満天の星空を見上げて語り合ったりと、国立公園の雄大な大自然を心から満喫。念願を叶えました。

さて、彼の収支はというと……、ワーク・トラベルの手配やJ-1ビザの取得費用を合わせて約30万円、現地での生活費・食費が約5万円程度だったので、出費は総じて35万円。ロッジでのバイトで稼いだ給与は、合計1500ドル(約17万6000円)であったため、出費の半分くらいはカバーできた計算です。

Hくんがもらった給与は、額面としてけっして高くはありません。ただ、有給での就業体験は働くことに厳しさが伴うため、武者修行の要素も高いのです。こうして、ワーク・トラベルは通常の語学留学では物足りない、モチベーションの高い大学生たちからの人気を集めています。

以上、海外で働きながら学ぶ方法について、4つの例をご紹介してきました。稼げる金額は、制度によってお小遣い程度から留学費用をまるまる賄えるレベルまで様々。語学学校での学習と就業体験、どちらがメインの渡航なのかを明確にした上で、自分に合ったものを選びましょう。そして、どこで働くとしても、雇用主や雇用条件をきちんと確認し、思わぬトラブルに巻き込まれないようにしましょう。

2017年こそ留学したいと考えている人は、参考にしてみてください。

大川 彰一 留学ソムリエ 代表取締役

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おおかわ しょういち / Shoichi Okawa

日本認定留学カウンセラー協会幹事、TAFE Queensland駐日代表。1970年京都市生まれ。セールス&マーケティングに約10年間携わり、カナダに渡航。帰国後、留学カウンセラーとして4年間で約1000名以上の留学やワーキングホリデーに関わる。その後、米国の教育系NPOのアジア統括ディレクターとして約6年間、グローバル人材育成に尽力。海外インターンシップを大学の単位認定科目としての導入に成功、東北復興プロジェクト、アジアの国際協力プログラム開発にも携わる。現在は「留学ソムリエ®︎」として国際教育事業コンサルティングや留学の情報を発信。留学ソムリエの詳細はHPFacebookから。著書に『オトナ留学のススメ』(辰巳出版)。

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