森田:赤ちゃんがどんどん減っていくわけです。生まれた時のボリュームからして、移民など外から人が入ってこない限り、将来膨らむことはあり得ません。その後、年を重ねるほど下はもっと細くなる。
まったく数学的な計算ですが、西暦3000〜3500年には最後の日本人がいなくなるのです。
木本:ええ!そんな計算になるんですか。
森田:1人の女性が一生の間に生む子ども数の平均値が合計特殊出生率ですが、2.07だと親世代と同じ数の子どもが産まれて人口がずっと維持できます。今は1.45程度まで落ちています。そうである限り親の世代より人口は増えない。少子化対策で増やそうといっていますが、それは簡単ではない。次のグラフ「女性20~39歳人口の減少」を見てください。
いちばん外の枠が2010年でその世代の女性は1584万人います。でも2060年には、736万人で、2010年の46.5%と半分以下になるのです。
木本:たしか20~30代って、生物学的には女性がいちばん子どもを産みやすい時期ですよね。
森田:おっしゃるとおり20~30代の女性から約95%の赤ちゃんが産まれますが、過去の少子化の影響でその世代の女性の数が減っている。したがって、1人の女性が2.07人産んだとしても子どもの数は減っていきます。それが繰り返されるので長期にわたって人口は減るということになる。少子化対策などが功を奏して、急に生まれるようになったとしても、底を打つのが2060~2070年くらいと計算されています。
都市部では高齢者の人口急増が起こる
木本:でも、今を生きる僕らにとっては、現在のバランスの悪さにも問題がありますよね。
森田:そこがまさに高齢者の問題。グラフで頭でっかちなピラミッドを見せましたが、若い世代は減っても、高齢者の世代は固まりとして残ります。それが社会保障の課題になる。では、次のグラフ「高齢者の都道府県分布の変化」を見てください。
木本:グラフがたくさんありますね。どう見ればいいんでしょうか。
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