森田:都道府県ごとに65歳以上の人がどれだけいるかですが、特に首都圏・都市部で爆発的に高齢者が増えます。これをどうするかが21世紀前半のわが国の大きな課題といえます。
木本:なるほど。高齢者に限ると人口は急増するわけですね。とくに大都会は高齢者が急増しますね。
森田:まだ見てほしいグラフがあります。次のグラフ「従属人口指数の年次推移」を見てください。従属人口指数とは年少人口と老年人口を足したものを生産年齢人口(15歳~65歳)で割った数字です。支える世代と支えられる世代の比率がわかります。戦前は70%ありました。つまり働く人100人に対して70人くらいの子どもと高齢者がいた。
「人口ボーナス」が高度経済成長の要因
木本:働ける大人が、お年寄りと子どもを結構な負担で支えていたと。
森田:一方戦後、団塊の世代と団塊ジュニアが大人になった時は、生産人口がすごく増えましたが、子どもが減って、お年寄りも少なかった。生産人口に属する人たちが社会の富を作りますが、その富を「次の世代と高齢者を支えるためのおカネ」にあまり使わなくて済んだ。そこで残った部分を新たに投資できて、高い経済成長を生み出した。それが人口の観点から見た高度経済成長の説明。人口ボーナスという概念です。
木本:なるほど。では人口オーナスとはなんですか。
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