森田:高齢者が増えてくると社会保障で支えなければならない。すると生産人口が生み出した富のうちのかなりの部分が社会保障に振り向けられる。いわゆる投資に向けられるおカネが少なくなる。それが人口オーナス。オーナスとは負担という意味です。
木本:高度経済成長をしたら、次は成熟というのが人口で説明できるわけですね。
森田:はい。そこで成長が止まってしまう。次のグラフ「世界の従属人口指数」はアジアの国の比較を示したものですが、日本は1970年から1990年くらいまでがボーナスの時期でした。韓国は現在ボーナスの後期に相当します。
木本:日本と10年ずれている感じですね。
どの国もボーナスを経験し、その後は下がる
森田:中国、インドネシア、インドもそうですが、それぞれ歴史の中で一度だけ人口ボーナスを経験するといわれています。でもその後は、どの国も角度は違ってもカーブを描いて下がってくるでしょう。
木本:ジェットコースターの登りから下りに転換するときのお腹がフワッとするような感覚ですかね。
森田:その例えはいいかもしれません。中国は今ボーナスのいちばん低いところにあるかもしれません。中国に経済成長が起こって、それがだんだん低下していくのは、他の要因もありますが、人口的にはボーナスの概念で説明できる。
木本:確かに爆買いの時期と一緒。韓国もボーナスが終わる。少子化対策として、移民をどうするかは大きな問題ですよね。たとえば、ドイツは積極的に移民を受け入れてますが、どんな思惑があるのでしょうか。
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