日本人は「人口急減の恐怖」を知らなすぎる 今後はフリーフォールのように急減していく

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木本:徐々にじゃなくて、急激に下がる原因は何でしょう。

森田:これは、少子化につきます。

木本:基本の部分を聞きますけど、そもそも、どうして少子化になっているんでしょうか。

森田:結婚する人が少ない。結婚しても子どもを作らないし、作っても1人か2人しか作らない。経済成長が鈍って多くの人が正社員になれなくなっているので、子どもを産み育てる経済的余力がない。産んで育てようにも、女性が働きに出るための保育所が足りない、という流れです。また、女性が高学歴化して、かつては多くの人が20代で第一子を産んでいたのが、今では過半数の人が30歳を過ぎるようになったので、4人も5人も産めません。そういういろいろな理由が重なっています。

人口が減る要因は以前からあった

森田朗(もりた あきら)/国立社会保障・人口問題研究所所長。1951年兵庫県生まれ。東京大学法学部卒業後、千葉大学法経学部教授、東京大学大学院法学政治学研究科教授、同公共政策大学院院長、厚生労働省中央社会保険医療協議会会長などを歴任。2014年4月より現職。人口問題、行政学、医療・社会保障、地方自治などについて積極的な提言を行なっている。著書に『会議の政治学I~III』(慈学社出版)など

木本:ここを解決すれば人口が増える、という答えのパターンが見つからない。

森田:日本だけではありません。多くの国がいろいろな政策を打ち出しているのですが、どの国も少子化対策には苦労しています。

木本:かつてないものを経験しているんですね。

森田:それを示しているのが2つめのグラフです。「日本の人口推移(年齢3区分)」を見てください。こういうカーブになるんです。

木本:先生、すみません。2つめのグラフ以降は、ヤフーニュースなど一部のサイトでは見ることができないので、わかりやすく説明してください。

森田:過去130年を振り返ると、1955年が年少人口がいちばん多かった時代です。そのあと団塊ジュニアの時代にもう一度、山になっている時期があります。その後、3番目の山ができないままずっと減ってきています。

「生産年齢人口」、つまり生産活動の中核を担う15歳以上65歳未満の人口をみると、1995年をピークに減っている。少子化に気がつかなかったのは、高齢者がどんどん長生きし、総人口は、国勢調査では2010年(総務省の「推計人口」と呼ばれている公的な年次別人口では2008年)まで増え続けていたために隠されていたのです。ただ、高齢者も無限に生きられませんから、人口が急速に減り始める。しかも、子どもの人口は減っているから、全体の人口はさらに減っていくわけです。

木本:なるほど。人口構成をみれば、問題は以前からあったわけで、人口急減は予測できていた、ということですね。

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