木本:徐々にじゃなくて、急激に下がる原因は何でしょう。
森田:これは、少子化につきます。
木本:基本の部分を聞きますけど、そもそも、どうして少子化になっているんでしょうか。
森田:結婚する人が少ない。結婚しても子どもを作らないし、作っても1人か2人しか作らない。経済成長が鈍って多くの人が正社員になれなくなっているので、子どもを産み育てる経済的余力がない。産んで育てようにも、女性が働きに出るための保育所が足りない、という流れです。また、女性が高学歴化して、かつては多くの人が20代で第一子を産んでいたのが、今では過半数の人が30歳を過ぎるようになったので、4人も5人も産めません。そういういろいろな理由が重なっています。
人口が減る要因は以前からあった
木本:ここを解決すれば人口が増える、という答えのパターンが見つからない。
森田:日本だけではありません。多くの国がいろいろな政策を打ち出しているのですが、どの国も少子化対策には苦労しています。
木本:かつてないものを経験しているんですね。
森田:それを示しているのが2つめのグラフです。「日本の人口推移(年齢3区分)」を見てください。こういうカーブになるんです。
木本:先生、すみません。2つめのグラフ以降は、ヤフーニュースなど一部のサイトでは見ることができないので、わかりやすく説明してください。
森田:過去130年を振り返ると、1955年が年少人口がいちばん多かった時代です。そのあと団塊ジュニアの時代にもう一度、山になっている時期があります。その後、3番目の山ができないままずっと減ってきています。
「生産年齢人口」、つまり生産活動の中核を担う15歳以上65歳未満の人口をみると、1995年をピークに減っている。少子化に気がつかなかったのは、高齢者がどんどん長生きし、総人口は、国勢調査では2010年(総務省の「推計人口」と呼ばれている公的な年次別人口では2008年)まで増え続けていたために隠されていたのです。ただ、高齢者も無限に生きられませんから、人口が急速に減り始める。しかも、子どもの人口は減っているから、全体の人口はさらに減っていくわけです。
木本:なるほど。人口構成をみれば、問題は以前からあったわけで、人口急減は予測できていた、ということですね。
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