森田:次のグラフ、「人口ピラミッドの変化」を見てください。昔は子どもが産まれても、栄養状態や医療の未発達で毎年多くの人が亡くなった。そして、65歳まで生きる人がほんの少ししかいなかった。
木本:1960年がそういう年齢構成ですね。本当にピラミッドのような形をしています。
森田:ところが医療が発達して、皆が長生きするようになった。2010年の65歳前後の人口は非常にボリュームがあります。2030年の予想を見ると、少子化でだんだん下の年齢層がすぼんでくるのがわかるでしょう。
木本:焼き物作りのためのロクロみたいな形に変化していきます。
森田:だんだん横幅(人口)が狭くなって、ピラミッド型から砲弾型になって2060年には壺型になるわけです。
木本:器に例えると、だんだん不安定な形になってきている。明らかに後期老齢人口の赤い部分が膨らんでいますもんね。
2060年にいちばん多いのは86歳
森田:推計ですが、2060年でいちばん多い年齢層は86歳なんです。
木本:ええ⁉ 86歳のお年寄りがいちばん多くなるんですか。
森田:86歳の女性が70万人強になる推計です。
木本:やっぱり女性のほうが長生きする。
森田:男性よりは長生きなのは間違いない。2060年の推計だと、産まれてくる女の赤ちゃんは多めに見積もっても33万人、真ん中で23万人。少ない場合には16万人です。70万人以上いる86歳に対して、生まれてくる赤ちゃんが20万人強だと……。
木本:赤ちゃんは3分の1以下にすぎない。
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