交渉ベタな人は相手の話をちゃんと聞けない まずはすべてを受け入れてから対応を考えよ

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2つ目の理由は、まず相手の話を聞いたほうが交渉は有利に進むことです。つまり、相手の話を聞きながら、相手の考えていること、相手から見える景色や相手の期限、相手がこの交渉に合意できなくても困らない代替案が何かなどを聞き出したり、探ったりできれば、自分の手の内を知られる前に交渉を有利にまとめることができる可能性が高まります。

交渉の中で相手の話を聞くのが苦手な人は、「相手に話をさせると自分が言いくるめられてしまうのではないか」と心配をします。しかし、相手の話を聞くことと、相手の話に同意することはまったく別のことです。相手の話を聞いたからといってそれを認めたことにはなりませんし、反論する機会は後からいくらでもあるのです。ですから、まずは相手がどのような主張をしているのか、そしてなぜそのような主張をするのかをじっくり聞いて理解してください。

とにかくお客様の話をよく聞く

私のまわりで、いわゆる営業が得意な人は、保険の営業マンでも、自動車の営業マンでも人の話を聞くのが本当に上手です。

営業と聞くと、一般的には自社の商品やサービスを売り込むことであり、商品の特徴やサービスの優位性を説明し、理解してもらうことと考えがちですが、売れる営業マンはそのように考えません。いくら他社より安い商品や、他より優れたサービスであっても、相手にその商品を買いたいという必要性(ニーズ)がなければ絶対に売れるわけがありません。

ですから彼らは、とにかくお客様の話をよく聞きます。どんなことに困っているか、何があったら今より便利になるかという相手の抱える問題や願望を聞き出すことに全力を尽くすのです。

その結果、相手の抱える問題の解決や願望の実現をする手段が自社の商品やサービスの中にあるのであれば、自信をもって自社の商品やサービスをすすめます。一方、相手の問題解決や願望実現に自社の商品やサービスが役に立たないときには、自社商品を売ろうとせず、別の方法を相手と一緒に考えます。

たとえば、パソコン売り場の店員さんの中でも、営業成績が悪い店員さんは成績を挽回しようと、どのお客様に対しても利益率の高い最新機種を売ろうとします。最新の機能や処理速度の速さを説明しますが、なかなか売れません。自分の都合を押しつける利己の交渉になってしまっているのです。

営業成績のいい店員さんは、まずお客様の話を聞きます。お客様が価格を重視しているのか、軽さを重視しているのか、それともバッテリーが長持ちすることを重視しているのかといったニーズを聞き出した後におすすめの機種を提案しますから、お客様にも喜ばれます。相手の願望を実現する利他の交渉になっているわけです。

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