原発と遺伝子組み換え作物は非民主的だ 『世界が食べられなくなる日』 ジャン=ポール監督に聞く

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反響は確かに感じている

私の目的は映画を通して、問題を知ってもらうこと。そしてより多くの人々に問題意識を持ってもらうことです。私が最初に撮ったのは「未来の食卓」(注:有機農法によって作られた野菜を給食で使おうというフランス映画)というドキュメンタリー映画です。最初に上映したとき、メディアや一部の研究者はこの映画にたいへん批判的でした。しかし現実に何が起きたか。映画を見た多くの市町村が、学校給食で使う食材を有機農業で育てた野菜に切り替えています。家庭では多くの母親が子供に有機野菜を食べさせるようになり、農家では有機栽培に切り替えるところも出てきた。これが映画監督として期待する“成功”です。

今回の映画は、フランスでもまだ公開されて数カ月しかたっていない。しかし私のところには、映画を見て考え方が変わったという人が多くきている。この映画を見るまでは原子力に賛成だった人が、映画を見た後では反対派に変わったという人がいました。

映画とインターネットは補完的な媒体です。ドキュメンタリーの役割は、なかなか納得できなくてもっと情報が欲しい人には、いろんなサイトに行ったり雑誌を見たりして、情報を探すきっかけを作ることにあります。もう少し情報を得たい人は、映画の中にあったクリジェンのホームページを見てもらうか、この『フード・アンド・ケミカル・トキシコロジー』の2013年1月号にセラリーニ氏が質問状に答える形で、記事を出しているのでご参照ください。

松浦 大 東洋経済 記者

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まつうら ひろし / Hiroshi Matsuura

明治大学、同大学院を経て、2009年に入社。記者としてはいろいろ担当して、今はソフトウェアやサイバーセキュリティなどを担当(多分)。編集は『業界地図』がメイン。妻と娘、息子、オウムと暮らす。2020年に育休を約8カ月取った。

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