部下に全部バレる「二流すぎる上司」の3欠点 「まわりを不幸にする管理職」はこんな人です

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ここまで、恥ずべき二流の上司の実態を書き綴ってきた。では、「一流の上司のあり方」とは、どんなものなのか? 以下、「一流の上司」の基本を3つに絞って書き綴ろう。

部下の成長をサポートしていますか?

【1】高い目標を掲げ、部下を上手にモチベートする

まず一流の上司ほど、明確なビジョンを掲げて、ゴールを共有したうえで、きちんと部下に仕事を割り振る。

間違っても、「とにかく何かいい仕事をやってね」などという、「一見自主放任に見えて、たんなる手抜きと責任放棄」という仕事の丸投げは絶対にしない。

皆がついてくるようなビジョンを描けず、それに必要な人材も調達できず、各自をモチベートできないなら、役職が上司というだけで、実質は「二流のお荷物上司」に転落してしまっているのである。

【2】部下の仕事をきちんと評価する

次に、一流の上司の役割として大切なのが、部下の仕事をきちんと評価するという「信頼性の高い評価機能」だ。

一流の上司ほど、目立たないが重要な貢献をした部下の仕事にも光を当てて、きちんと評価する。たとえそれが、形式的に思われて皆に嫌がられるコンプライアンストレーニングであろうと、社員がブーブー不満を言っていても、そういった裏方作業の社員をきちんと評価し、励ますのだ。

組織の成果に責任をもつ者として、「部下の仕事の正当な評価」が一流の上司の責務であることは、いくら強調しても強調しすぎることはない。

【3】公私にわたって、部下の成長をサポートする

最後に強調したいのが、一流の上司ほど「公私にわたって、部下の成長をサポートする」ということである。

私が世界中の職場で働いてきて感じるのは、「人材の公私における成長にコミットする」というのは、世界中、規模や歴史を問わず、一流の組織がこだわっている企業文化である。

部下が仕事漬けになっていたら、人生の優先順位を見失わないようにそっとアドバイスするし、仕事に悩んでいたら、食事に誘うなどしてうまく相談に乗る。部下がビジネスパーソンとしても人間としても成長するよう、公私にわたって手助けするのだ。

もちろん、まったく信頼も尊敬もしていない上司にプライベートで食事に誘われたら、それは立派にパワハラである。そうならないように、常日頃から「この上司は自分の自己実現を助けようとしてくれている」「自分の市場価値を上げようとしてくれている」という信頼関係を築いていることが、一流の上司の基本なのである。

部下の成長を顧みず、部下の成果を横取りし、自信もないのに空威張りしているようでは、恥ずかしい恥ずかしい「二流の上司」に転落してしまっていることを、顔を真っ赤に赤らめて、猛省しなければならないのだ。

ムーギー・キム 『最強の働き方』『一流の育て方』著者

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Moogwi Kim

慶應義塾大学総合政策学部卒業。INSEADにてMBA取得。大学卒業後、外資系金融機関の投資銀行部門にて、日本企業の上場および資金調達に従事。その後、大手コンサルティングファームにて企業の戦略立案を担当し、多くの国際的なコンサルティングプロジェクトに参画。2005年より外資系資産運用会社にてバイサイドアナリストとして株式調査業務を担当した後、香港に移住してプライベート・エクイティ・ファンドへの投資業務に転身。英語・中国語・韓国語・日本語を操る。著書に『世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた』と『一流の育て方』(母親であるミセス・パンプキンとの共著)など。『最強の働き方』の感想は著者公式サイトまで。

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