就活生が誤解する「企業が求めるコミュ力」 求めているのは「話の面白さ」ではない

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文系学生では「コミュニケーション能力」は58%で、2番目に重要視されているが、理系学生では39%で5位にとどまる。しかし入社後、エンジニアは黙々と研究室で実験だけをしていればよいということはなく、企業は文系、理系の隔てなく、理系学生にもコミュニケーション能力を求めているのだ。これから面接選考の時期まではまだ時間がある。アピールできる能力だと言えるようになりたいものである。

相手の2割分だけでも話す

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コミュニケーション能力を高めるためには、知識ではなく実践の積み重ねが大切。しかし、コミュニケーション能力に自信のない人は、単に「自分の話は面白くない」と思っていないだろうか?

相手の情報が何もない中で、一方的にこちらから話し続けても空回りするだけだ。コミュニケーション能力は、こちらからの発信力だけでなく、「相手から話を引き出す力」も同程度に重要であることを理解しよう。引き出す力には、特に技術などなくても大丈夫。必要なのは相手の話に好奇心を持つことだけ。あとは自然に質問が出てくるだろう。

コミュニケーションは会話のキャッチボールであり、一方的に質問だけをしていても会話は続かない。相手も自分だけが自己開示して、あなたが何も自己開示しないままでは、相手からの信頼関係を築くことはできない。だからと言って、自分からの発信量を、相手と同じにする必要はない。それは負担になるだけだ。相手の発言に対して、2割返すことを目標にしてみたらいい。どうだろう、これならできそうだと思えないだろうか。

松岡 仁 ProFuture HR総研 主席研究員

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まつおか ひとし / Hitoshi Matsuoka

就職情報会社3社を経て、2009 採用プロドットコム(現ProFuture)に入社。新卒採用に限らず、キャリア採用、人材育成、人事制度、人事システム、労務、法改正対応等、人事領域に関連する幅広い各種調査の企画、実施・分析を行う。朝日新聞、日経新聞をはじめ、新聞、人事系雑誌、テレビからの取材依頼も数多い。

 

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