就活生が誤解する「企業が求めるコミュ力」

求めているのは「話の面白さ」ではない

「求める人物像」は各企業によって異なるものの、そのベースとなる能力は多くの企業で共通している。HR総研の調査データ「2017年新卒採用徹底解剖」の中から、「企業が学生に求める能力」の結果を見ると、断トツの1位は「コミュニケーション能力」で、実に83%もの企業が求める能力として挙げている。2位の「チームで働く力」ですら49%と半数を切っており、「コミュニケーション能力(コミュ力)」がいかに重要とみなされているかがわかるだろう。

このコミュニケーション能力とは何を指すのであろうか。たぶん、学生の皆さんが思っているよりも、その範囲は広い。単に「相手の言っていることを正しく理解し、それに相応しい回答ができる」「初めてあった人とも躊躇なく会話することができる」といったレベルだけではない。

「相手の求めるものを聞き出せる」「相手の真意・感情を推し図れる」「こちらの考え・感情を正しく相手に理解させることができる」「意見の違う相手との折り合い(解決)をつけられる」「信頼関係を築くことができる」など、コミュニケーション能力という一つの言葉の中には多くの要素が含まれる。

「チームで働く力」にもコミュ力は不可欠

学生生活でのコミュニケーション能力は、「話が面白いか(しゃべりがうまいか)」「会話がはずむか」「友達が多いか」などが基準になっていると思うが、社会人は違う。話が面白いかどうかは表面的なことであり、それほど重要なことではない。あくまでも相手との「適切な意思疎通」ができるかどうかだ。

一方の「学生が就職活動においてアピールしたい(できる)能力」の結果も見てみよう。

こちらは、文系学生と理系学生では傾向が異なるため、分けて集計してみたが、1位は文理ともに「チームで働く力」となっており、6割近い学生が挙げている。企業側の結果でも「チームで働く力」は2位に入っており、それをアピールすることは悪いことではない。企業は個人プレーというよりは、多くの場合、組織で活動するものであり、チームワークは極めて重要な要素となっている。

ただし、チームで働くためには、コミュニケーションは不可欠であり、コミュニケーション能力はベースとなる能力といえる。逆にいえば、コミュニケーション能力をアピールできなければ、チームで働く力はアピールできないのである。

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