アップルですらクールで居続けるのは難しい 日本の製造業はもっと大胆に発想転換せよ

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冨山和彦氏が世界で勝ち抜く難しさを解説します(撮影:尾形 文繁)
世界が大きく変わっていく中で、日本はもっともっと変わっていかなければならない。著書『有名企業からの脱出 あなたの仕事人生が“手遅れ”になる前に』を上梓した経営共創基盤CEOの冨山和彦氏が本質を読み解く短期集中連載。第3回は、アップルやフェイスブックがいずれ迎える試練を考え、日本の製造業に必要なことを説く。

 

スティーブ・ジョブズは亡くなっても、アップルの評価はまだ保たれています。ただ、かつてのような右肩上がりの業績拡大は見られなくなってきました。今のアップルは、たとえばビートルズという過去の大ヒットコンテンツからいかにキャッシュフローを引き出すか、という状態にあるといってもいいでしょう。

次にアップルに求められるのは

足元ではライバルである韓国サムスン電子の「ギャラクシー ノート7」の発火問題がアップルにとって追い風になりますが、中長期的に考えてアップルが苦しくなる可能性があるとしたら、その分岐点は、「最近のアップルの商品はクールじゃないな」とユーザーが思い始めること。クリエーティブで勝負しているBtoC産業の強さは、ラグジュアリーブランドを見ればわかりやすいでしょう。たとえ創業デザイナーがいなくなっても、天才肌のデザイナーにすべてを委ねることでクリエーティビティが維持されているブランドは多い。

重要なことは、優れたデザイナーの発掘と、周囲がその人に全面的に従う体制づくりです。次にアップルに求められるのは、まさにこれでしょう。もとより1980年代、IBMのパソコンが、あまりに官能的でない、セクシーでない、とマッキントッシュをつくりあげたのが、かつてのアップルでした。世界は熱狂し、マッキントッシュは大ヒットしました。

ところが、技術が練られてくると、競合との差が小さくなり、ユーザーは官能性よりも利便性や機能性で選ぶようになります。当時、結果的に苦境に陥ったのも、当時のアップルでした。今、新しい体制がつくれなければ、過去の苦境と同じことが起きる可能性があります。また、アップルのビジネスモデルも、オープンアーキテクトという時代の流れに逆行していて、ここにも大きなリスクは潜んでいます。

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