日本人が抱える「正しいキャリア」という幻想 経営学者、石倉洋子が読む「ライフ・シフト」
多くの日本人が自らの意志で人生を決めるのではなく、ありもしない「正しいキャリア」という幻想にがんじがらめになっていると危惧する、石倉洋子・一橋大学名誉教授。
そんな教授が勧める書籍が、ベストセラー『ワーク・シフト』の著者らが書いた『The 100-YEAR LIFE』の日本語版『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』だ。その理由はどこにあるのだろうか。
本書『ライフ・シフト』は、2012年にドバイで開かれた世界経済フォーラムの世界課題会議で初めて会ったリンダ・グラットンの最新版です。当時話題になっていた『ワーク・シフト』に強く共感し、今年7月から、フォーラムが新しく組織した「未来委員会」で活動を一緒に始めています。リンダは私がとても好きな女性リーダーのひとりでもあるので、大きな期待をもって本書を読み始めました。
まず感じたのは、「待ってました!」と大いに歓迎する気持ちです。それは本書のメッセージが、今日本で一番必要とされている発想の転換を促し、具体的なアクションを示唆する上で、大きな説得力を持つものだからです。また私自身が最近実行している活動の背中を押してくれるものだとも感じました。
では、なぜ私がこのような強い印象を持ったのでしょうか。
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