サムスンは「スマホ爆発」を防げなかったのか 期待の新モデルはわずか2カ月で姿を消した
旗艦モデルで発生した事故が、深刻な打撃をもたらしている。
韓国サムスン電子は10月11日、電池の発火事故が相次いだスマホ「ギャラクシーNote7」の生産と販売の終了を発表。同機種はリコール(無償の回収・修理)を実施していたが、その後も発火が多数報告されていた。
翌12日には2016年第3四半期(7〜9月期)決算の速報値を下方修正。Note7の生産中止の影響を加味し、営業利益予想を2.6兆ウォン(約2400億円)引き下げている。
事故原因は電池ではなく、ICか
問題の電池が発火した明確な原因については「現在も調査中」とするのみだ。Note7に搭載された電池はサムスンSDI製と、TDK傘下の中国・アンペレックス・テクノロジー・リミテッド(ATL)製。当初はサムスンSDI製に問題があるとされていた。
しかし、ATLが主要サプライヤーとなった交換品でも発火するケースが見られたことから、「電池の中身よりも充放電を制御するICに問題があるのではないか」(電子機器の分解調査会社・フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズの柏尾南壮氏)との見方がある。
Noteシリーズの従来機種は年間2000万〜3000万台の販売量があった。影響はサプライヤー側にも及びそうだ。
「“痛み分け”するしかないでしょうね」。部品を供給する日本の電機メーカー社員はため息交じりに話す。「製品・仕掛かり品・材料、どの段階でも在庫がある。返品できるものは返品するが、できないものは損害を折半する可能性がある」。
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