有機ELでサムスン独走、日本勢の運命は? 2017年のiPhone採用後の市場をどう読む?
スマートフォン向けを中心に、有機ELの普及が加速する動きを見せている。この傾向は“本物”と見ているがリスクもあるので検証したい。
11インチ以下をメドとする中小型フラットパネルディスプレー(FPD)の生産能力(面積ベース)は、テレビ向けなどに多く使用されているアモルファスシリコンが主流。有機ELのシェアは現時点で約6%にすぎない。そのうちのほとんどを韓国のサムスンディスプレイ(SDC)が占め、主にハイエンドスマホ向けに供給している。
アイフォーンが曲面パネルを採用
ハイエンドスマホ向けディスプレーで有機ELと競合するLTPS液晶に関して は、日本のジャパンディスプレイ(JDI)をはじめ多くの企業が投資。シェアも10%程度と有機ELを上回る。こちらは米アップルをはじめ、ほぼすべてのスマホブランドが採用している。
有機ELを採用しているスマホブランドはサムスン電子、中国の新興ブランドであるOPPO、Vivoなどが主体で、数量ベースで全体の2割程度である。
だがこの構図は、2017年、アップルがアイフォーンに曲面パネルとなるフレキシブル有機ELを採用するという動きにより、大きく変化しそうだ。
みずほ証券の予想では2016年のアイフォーン向け液晶ディスプレーパネルの供給は、JDIが8700万枚、韓国のLGディスプレイ(LGD)が8500万枚、シャープが5700万枚。一方、有機ELは、2017年に5000万枚、多ければ8000万枚程度の供給が想定され、その全量をSDCが占めそうだ。
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