お笑いコンビ「キングコング」の西野亮廣氏。バラエティ番組の「ひな壇」に出ることをやめる発言で物議を醸したことが、人々の記憶にも残っているだろう。世間でのイメージは、「炎上芸人」というものかもしれない。しかし、西野氏から紡ぎ出される言葉は、どれも本質を突いている。既存の常識とされていて行き詰っていたものが、思いもしなかった意外な視点から覆されていくのだ。
「芸人」としての立場に加えて、「絵本作家」としての活動を開始したあとは、クラウドファンディングを使ったニューヨークでの個展開催、ハロウィンのゴミ問題をエンターテイメント化することで解決するプロジェクト「ゴーストバスターズ」の立案、「世界一面白い学校」を標榜するカンファレンスイベント「サーカス」の主宰、大手企業を巻き込んだ「町づくり」への参画など、その活動領域の広がりはとどまることを知らない。
そして、「芸人」としては異例のビジネス書『魔法のコンパス 道なき道の歩き方』を2016年8月に発売し、すでに10万部を突破した。肩書にとらわれることなく次々と新しい仕事を創り出していく西野氏に、日本における「未来のシゴト」はどうなるのか聞いた。今回は、その前編。
「お給料=ストレスの対価」という考えを改めるべき
――『魔法のコンパス』では、「遊んでばかりじゃいけません」から、「仕事になるまで遊びなさい!」と親が子どもに言う時代が来ると指摘されています。このように考えるようになったきっかけは、どういったことだったのでしょうか。
まず、変えなければならないことがあると思っていまして。それは、「会社からもらうお給料=ストレスの対価」という考え方なんです。すべてかはわからないですけど、作業っぽい仕事、要は、面倒くさくてストレスがかかる仕事は、今後ロボットが順にやっていくと思います。たとえば、駅の改札も昔は人の手で切符を切っていたけれど、自動改札機ができて、人がいらなくなりましたよね。
人間に残されるものは、遊びっぽいものというか「とても仕事とは呼べない好きなこと」しかないと思うんです。一見、無駄に見えるようなものをお仕事化して、マネタイズする方法を探さないと、食いっぱぐれてしまう。
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