「レンタル移籍」は雇用流動化の有効ツールだ

会社を「越境」した社員は何を得たのか

レンタル移籍直後のランドスキップ下村社長とNTT西日本の佐伯氏。2人の後ろにある「風景」が商品だ(写真:原田未来)

新卒入社した会社を勤め上げるという人は減り、昨今の人手不足もあって人材の流動化は進みつつある。しかし、安定した大企業に入った人が今までのキャリアをリセットして転職することには、まだ勇気がいる。転職して外の世界を見ることができないため、不本意ながら所属する会社のことしか知らないという人も少なくないことが現実だろう。

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また、「オープンイノベーション」という言葉も一般的になり、外部の新鮮な知恵やノウハウの吸収を必要としている企業は増えている。しかし、組織化、分業化が進む大企業では、失敗を恐れずに経営者視点を持ってビジネスを進めていくことができる人材が育つ土壌に乏しい。社内研修を抜本的に変革していくことも、一筋縄ではいかない。

サッカーチームのように社員を「レンタル」する

しかし、社員が外の世界を見ることを可能にし、会社は効率的に社外のノウハウを吸収できるようにするのが、ローンディールが2015年9月に開始した「レンタル移籍」サービスだ。このサービスは、人材が元の企業に在籍したまま一定の期間を定めて他社で働く仕組み。サッカーの世界で、出場機会が得にくいビッグクラブの若手が他のチームに期間を定めて移籍することがよく行われているが、このイメージに近い。直接の資本関係すらないベンチャー企業に社員を送り込み、事業創造に深くコミットさせる機会をつくることができる。

人材を貸し出す企業側に、まず対象となる人物を社内公募で選んでもらい、ローンディールとの面談などを経たうえで、130社を超える登録ベンチャー企業から受け入れ先を紹介する。人材の適性やスキルに応じた業務、プロジェクトを設計しコーディネートするが、それにとどまらずレンタル移籍中の人材と毎月面談することでフォローを継続し、人材育成を支援する。現在は、主に大企業からベンチャー企業へのレンタル移籍が中心となっていて、移籍した従業員の給与や賞与、社会保険は、移籍させる側の負担になる。

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