二流どころか三流の「業界のババ抜き」を語るうえで、私の三流の友人・本山さん(仮名)に登場してもらおう。
外資を解雇され、クビにならない「安全地帯」の日系企業に
本山さんの華々しい“転落キャリア”は、大手米系投資銀行のニューヨーク研修が終わった途端にクビになるという「スピード解雇」で幕開けした。
外資金融を解雇された人の王道だが、その後、日系の金融機関という「クビにならない安全地帯」で数年過ごした本山さん。しかし彼は、景気回復の局面で欲を出して再び外資に舞い戻るものの、ものの見事にその2年後にはもう一度、その外資もクビになってしまった。
その後は謎のベンチャーのCFO(最高財務責任者)などに雇われるも、金融業界にいただけで財務の専門家でも何でもないので、新天地でも周囲をガッカリさせつづけている。
本山さんの三流さを知る周囲の人たちは「次はどの会社がこの“業界のジョーカー”を引き抜いてしまうのか」と固唾を飲んで見守っているのである。
【3】「人脈のなさ」もバレる
本題に戻り、もうひとつ転職でバレるのは「人脈のなさ」である。
新卒直後ならいざ知らず、社会人生活が5年たっても10年たっても20年たっても、永遠に人脈が形成されない人たちがいる。
そういう人たちに限って、いつまでも日曜日の『日経新聞』の求人欄を血眼になって読んでいたり、本当は年収2000万円の案件などほとんどないのに「年収2000万円の仕事がここに!」などという、「それはそれは恥ずかしい釣り文句」につられて、謎の求人メールに飛びついたりする。
彼らは、客観的に見た自分の能力に、2000万円の市場価値がつくよう頑張ったりはしない。楽観的なことに、誰かが何かの間違いで、自分に2000万円放り投げてくれるかもしれないと、本気で信じているのだ。
ポジションも上がってくると、転職は「誰を通じてその会社にアクセスしているか」が重要になる。
新卒の数年間ならまだしも、30代中盤くらいからは、自分を信頼してくれて、自分と会社のフィットをわかっている「真の人脈」からの紹介ベースで転職するものだ。そういう人脈がなければ、新聞広告や求人メールに飛びつく無数の人々との激しい消耗戦になってしまうことが多い。
だからこそ、自分と会社の双方をよく知る、信頼できる人脈をどれだけ築き上げたかどうかが、30歳からのキャリアには大切になるのだ。
転職活動で頼るのが、謎の「2000万円稼ぎませんか?」などという求人メールだったとき、あなたの転職活動はすでに、恥ずかしい恥ずかしい三流の域に転落していると断言していいだろう。
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