コカ・コーラのO2Oが、“先進的”な理由 店舗を持たない“店舗誘導型”O2Oの展開力

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日本コカ・コーラ広報の佐藤克哉氏は次のように話す。

「決して“音楽”のキャンペーンではなく“コカ・コーラ”のキャンペーンということをつねに忘れるな、という意識で取り組んでいる。音楽は入口であり主人公ではない。いろんな部署の人間に、このことが大号令のように下されている。

商品パッケージこそがO2Oの大事な主体。自動販売機であろうとコンビニであろうと、コカ・コーラがある場所に行けば、商品を手に取ってもらえる。店舗を持たないわれわれでも、店舗誘導型のO2Oができる」。

日本コカ・コーラがO2Oに取り組み始めたのは、2009年のこと。自社サイト「コカ・コーラパーク」会員の増大に伴い、サイトから店舗に誘導する施策を強化し始めた。

会員数約1200万人の自社サイト「コカ・コーラパーク」

「ネットを活用するメリットは、特定地域に限らず、全国津々浦々の消費者に届くというところ。多くの顧客にプロモーションできる。ソーシャルメディアも追い風になっている」(足立氏)。

現在、コカ・コーラパークの会員は約1200万人。月間のページビューは、5億~6億にも上る、巨大サイトだ。メーカーが運営するサイトではトップクラス。キャンペーン情報、ゲーム、ニュース、占い、天気予報のようなコンテンツを提供する。フェイスブック、Twitter、 Mixiなどのソーシャルメディアの会員アカウントとも連携している。

自社輸送トラックさえもメディアととらえる

日本コカ・コーラのメディア戦略は、自社で運営するメディアを軸にして組み立てられている。コカ・コーラパーク、商品パッケージ、自動販売機、自社ビル横の屋外広告、自社トラックの外装広告に至るすべてを自社メディアと考え、ブランド戦略を立てる。マス広告や外部のソーシャルメディアも効果的に連動させる。

日本コカ・コーラのそれは、マーケティングの世界で言うところの「統合型マーケティングコミュニケーション(IMC)」と呼ばれるものだろう。企業がブランド価値を高めるために、マス広告(テレビ、新聞、雑誌、ラジオ)、ネット広告、ソーシャルメディア、DMやチラシなどの販促、商品パッケージ、店舗などすべてのコミュニケーション・チャネルを統合して、統一感を持ってメッセージを伝えるマーケティング手法のことだ。

たとえば、ある商品のテレビCMでお笑いタレントを起用する一方で、同じ商品のパッケージに外国人タレントを起用する。こうした一貫性のないコミュニケーションは、決して行わないということだ。

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