ランナーに大ヒットした機能性タイツの真実

その関節サポートでは「疲労回復」できない

正しく使えば効果を得られます(写真:kou / PIXTA)
アンダーアーマーを筆頭に、ここ数年でピチピチの「機能性インナー」がブレイクした。ランナーにとって、いわゆる“着圧”が施された機能性インナーを上下で着るスタイルが一般化している。その目的は、本来「疲労回復によるケガ防止」だが、実は機能性インナーについては誤解が多く、商品選びを間違えて疲労回復に役立っていないケースもある。
何より、疲労回復とつながるのは、機能性インナーの中でも「ランニングタイツ」だという。今さら聞けない機能性インナーとランニングタイツの基礎知識について、Japanマラソンクラブ代表の牧野仁氏が解説する。

多くの人が知らない、上半身の機能性インナーの事実

機能性インナーは、上半身のものと下半身のものがありますが、まず知っておきたいのは、上半身と下半身でその役割が異なること。上半身は、主に「ランニング時の体のバランス維持や体幹サポート」を目的としており、本当の意味で「疲労回復」の役割を果たすのは、下半身の機能性インナーです。

ランナーは疲れてくると、上半身が猫背になりバランスを取りにくくなります。その際に、着圧によって体のバランスや姿勢を正し、体幹部をサポートするのが上半身の機能性インナーです。特にお腹周りは骨がないので、インナーの力で引き上げるのが効果的。もちろんこれも最終的には疲労回復などにつながりますが、大きな目的は姿勢やバランスのサポートです。

対して、下半身の機能性インナーはダイレクトな疲労回復を主な目的にしています。着圧によって、筋肉の疲労を取る構造になっているからです。もしランニングによる疲労が気になる人や、そのためにパフォーマンスが伸びない人は、上半身よりも下半身の機能性インナーを着用すべきです。

なぜ下半身のインナーが疲労とつながるのでしょうか。人間の体は、運動をする場合に多くの酸素が必要になり、体に酸素を供給するために赤血球がその役割を担います。その赤血球を運ぶのは動脈であり、心臓から全身に送ります。動脈は、体の高い位置にある心臓からほぼ下へと流すので、足先まで容易に渡ります。大きな血管から細い血管まで一気に酸素がいき届き、栄養が送られるのです。

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