ランナーに大ヒットした機能性タイツの真実 その関節サポートでは「疲労回復」できない
具体的なブランドで言えば、SKINSはいわゆる筋肉サポートの老舗で、身体の部位に合わせて着圧を変えています。そこまで細かく着圧を分けているタイツは技術的に難しいので、少し高価なタイツと言えます。最近で言えばNIKEなども関節サポートより筋肉サポートの商品に力を入れはじめています。わたしも商品の専門家ではないのでわかりませんが、おそらく大手メーカーも昔と違い、筋肉のサポートをする商品を複数開発していますので、自然とお店の棚に筋肉サポートの商品が増えていくのだと思います。
部位ごとに圧力を変えたロングタイツが理想
下半身の機能性インナーには、ハーフタイツやカーフタイツ(膝から下だけのもの)といった部分的な商品も多数あります。しかし、私は「ロングタイツ」がベストだと考えています。
ハーフやカーフも、部位ごとに適した圧力をかければ、その分の効果はあります。インナーを着用している部分の筋肉は収縮し、静脈血をきちんと上げてくれるでしょう。ただ、どうせそれをやるなら、足首から腰下までロングタイツですべて圧力をかけて、きちんと上に持って行ったほうがいいということです。
たとえばカーフの機能性インナーを着用したとします。すると、足首からふくらはぎにかけては圧がかかり、静脈血は膝まで勢いよく上がるでしょう。問題はそこから。特に疲労がたまりやすいハムストリングスで圧力がかかっていなければ、せっかくのカーフ効果も半減。ハムストリングスでも圧をかけて、最後まで静脈血を上げきってこそ意味があります。
ハーフについても同様。着用部分は活性化しますが、一番下部になるふくらはぎから静脈血を上げないと効果は弱いですよね。大きい筋肉をカバーできるので一定の効果はありますが、下から着圧を変化させて上まで満遍なくやるのがベストです。
ロングタイツは暑そうなので敬遠されることもありますが、ナイロン素材であれば汗を残らず外に出してくれます。吸収ではなく外へ出すので、意外とサラサラで気になりません。夏場でも着れると思います。もちろん、これからの秋冬シーズンにはちょうどよいでしょう。
これらを踏まえて、私が考える「体をケアする機能性インナー(ランタイツ)」の要素は以下の4つです。
2)関節ではなく、筋肉全体に圧をかける「筋肉サポート系」
3)圧力は強ければよいのではなく、弱圧も含めた「適圧」が施されていること
4)適圧は部位ごと異なるため、圧力を細かく段階的に変えていること
機能性インナーについては、きちんとした理解が進んでおらず、ファッション性中心に流行している面もあります。しかし、適切な商品を選ばないと疲労やケガを引き起こします。特に秋からランニングを始めようという人は、まだ体ができきっていない分、この選択が大切。正しいランニングタイツを使用して、楽しいランニングを実現しましょう。
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