完成度はどうでもいい?三池監督の神髄とは タブーを恐れぬ映画作りの裏側

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マンガ家・木内一裕の小説家デビュー作となる問題作『藁の楯』を、三池崇史監督、大沢たかお、松嶋菜々子、藤原竜也ら出演という豪華布陣で映画化した本作。10億円の懸賞金がかけられた凶悪犯。彼の移送を受け持つことになったのは警視庁警備部警護課のSPら5人。タイムリミットは48時間。飛行機、新幹線など、あらゆる移送手段を使ってでも任務を遂行しようとする彼らだったが、日本全国民の欲望と殺意が、その殺人犯に集中する中、数々の困難が彼らに降りかかる――というアクション大作だ。
空港、留置所、病院など、本物のロケーションにこだわった本作は、開通直前の高速道路や名古屋の官庁街を封鎖しての大規模ロケ、そして日本の新幹線技術が投入された台湾高速鉄道での撮影など、日本映画史上かつてないスケールの映像となった。5月に開催される「第66回 カンヌ国際映画祭」のコンペティション部門にも選出され、作品への期待も高まっている。
監督は『十三人の刺客』『悪の教典』など、タブーを恐れない描写で、世界的評価の高い三池崇史監督。今回は、三池監督に本作を映画化することへの思いや、現場の雰囲気作りなどについて聞いた。

――『藁の楯 わらのたて』は、「BE-BOP-HIGHSCHOOL」で知られる木内一裕さんの同名小説が原作です。木内さんは、きうちかずひろ名義で活躍していたマンガ家であり、映画監督もやっていた方です。そんな彼の作品は「映像のしやすさ」はありましたか?

「BE-BOP-HIGHSCHOOL」はマンガから映画化もされて、非常に人気の作品でした。木内さん自身が自分で「BE-BOP-HIGHSCHOOL」の監督をした作品もありましたよね。当時は、オリジナルビデオがたくさん作られている時代でしたが、特に木内さんが竹中直人さんの主演で撮った『カルロス』という作品は非常に面白い作品でした。

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