メディアはプラットフォームに頼ると危ない Facebook、Googleが全てを吸い上げていく

拡大
縮小
いまやフェイスブックがメディアの利益を横から奪うようになっている(写真:Kichigin / PIXTA)

もう何年もフェイスブック経由のトラフィックの恩恵を受けてきたパブリッシャーだが、ついに最悪の事態が現実となった。フェイスブックはパブリッシャーと読者のあいだに立ちはだかり、パブリッシャーが利益をあげるのを妨げるようになったのだ。

顧客にもっとも近い者が利益を手にする

この記事はデジタルマーケティング戦略に特化したメディア「DIGIDAY[日本版]」(運営:インフォバーン)の提供記事です

対抗策として、パブリッシャーは巧妙なやり方で読者と直接つながろうとしている。自社サイトに来てもらえれば、オーディエンスデータやマネタイズの面で自由が利くからだ。

マーケターに顧客行動分析サービスを提供するバウンスエクスチェンジのCEO、オムリ・ブロック氏は、「顧客にもっとも近い者が利益を手にする。(パブリッシャーからみると)事実上、顧客との関係をサードパーティーに握られている状態だ。パブリッシャーはみずからが存亡の危機にあることに気づいた」と言う。

プラットフォームへの依存度を下げるためにパブリッシャーがとっている戦略は、バリエーションこそあれ、基本的には共通だ。読者のなかからサービスを強化すべき層を選別し、自社サイトやニュースレター、場合によってはオフラインの独自コンテンツにアクセスしてもらう。そこから有料購読に登録してもらうか、コンテンツの定期的な閲覧を習慣にしてもらう。

「読者に習慣をつけてもらうためにできることはたくさんある」と、NYTベータのバイスプレジデント、ベン・フレンチ氏は言う。NYTベータはニューヨーク・タイムズのユニットのひとつで、「クッキング」「ウェル」「ウォッチング」など、読者の好みに応じたニッチセクションの開発を担当している。

次ページ両刃の剣の高速記事フォーマット
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
Netflixが日本での「アニメ製作」を減らす事情
Netflixが日本での「アニメ製作」を減らす事情
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT