好調フェイスブック、日本では苦戦のナゼ? 「42億人」の巨大メディアに潜む死角

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開発者向け会議「F8」に登壇するマーク・ザッカーバーグ創業者兼CEO。議決権ベースで約6割の株式を握る

破竹の勢いはどこまで続くのか。世界最大のSNS運営会社、米フェイスブックは2016年4~6月期の業績を発表した。

売上高は前年同期比59%増の64.36億ドル(約6630億円)、営業利益は同116%増の27.46億ドル(約2830億円)だった。売上高のうち広告事業の比率は97%を占め、そのうちモバイル広告の比率が84%に上った。モバイル広告の売上高は81%増え、会社全体の牽引役となった。2012年5月に米ナスダックに上場した際は、モバイル広告への対応が投資家向けのリスク条項に上がっていたが、そうした懸念を完全に払拭したと言える。

地域別に見て売り上げの伸びが大きかったのは、北米とアジア太平洋地域だ。同四半期時点で全体売上高のうち北米は50%、アジア太平洋地域は15.9%を占めた。24.6%はヨーロッパ、9.5%は中国やインドを含むその他地域だった。

フェイスブックの月間利用者数は17億人超

好業績の原動力となっているのは、利用者数の拡大だ。フェイスブックの月間利用者は17億1200万人となり、1日当たりの利用者も11億2800万人を数える。

広告の中身も進化している。投資家向け説明会でシェリル・サンドバーグCOO(最高執行責任者)は、「初めの数秒で利用者の関心を掴む広告動画を制作し、ユーザーの親指が止まるようなクリエイティブを目指している」と話した。ほかにもオーディエンスネットワーク(提携するサイトやアプリにフェイスブックの広告を配信する仕組み)上で広告主が動画挿入できるようになるなど、新たな手を次々と打っていることを明らかにした。

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