ついに上場申請、LINEが描く野望 日米同時上場に照準、成長路線に死角はないのか
「2015年には10億人を目指す」――。
4月に行われた新経済連盟の「新経済サミット」で、LINEの森川亮社長は登録ユーザー数の新たな目標を口にしていた。この時、森川社長の頭の中には、「上場」の二文字も当然あったはずだ。
7月16日、親会社である韓国ネイバーは、LINEが東京証券取引所に上場申請を行ったことを発表した。かねて噂されていた通り、米国での同時上場も検討しているという。秋にも上場承認を受け、順調にいけば11月にも東証に上場する見通し。市場では上場時の時価総額が1兆円を超すとの見方もあり、今年の大型上場として注目が集まっている。
サービス開始から3年で5億人
LINEがサービスを開始したのは2011年6月。当初はメッセンジャー機能に特化したアプリだったが、11年10月に感情表現をした大きな絵文字「スタンプ」を導入したのをきっかけに爆発的な勢いで成長した。昨年11月に世界の登録ユーザー数が3億人に達したが、その後も勢いはまったく衰えず、現在は4.8億人まで拡大している。
森川社長が掲げる10億人は、これを倍以上に拡大させようというもの。上場で得られる資金をテコに海外展開を加速させる狙いだろう。スマホユーザーのほぼすべてに相当する5200万人を刈り取っている日本では敵なし。だが、ユーザーの9割を占める海外では、トップシェアを握る国・地域がタイと台湾だけで、その展開に課題も残る。
中国は現地インターネット通信大手のテンセントが運営する「微信(WeChat)」の牙城で、月間利用者数は中国を中心に3億9580万人(14年1~3月期)。楽天が3月に935億円で買収したキプロスの「Viber(バイバー)」が欧州や中東を中心に3億 4500万人(14年5月の登録ユーザー数)、韓国のカカオが運営する「カカオトーク」が韓国を中心に1億4800万人と続く。
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