好調フェイスブック、日本では苦戦のナゼ? 「42億人」の巨大メディアに潜む死角

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広告事業トップのデビッド・フィッシャー氏は約8年のグーグル在籍を経て2010年4月フェイスブックに入社。「ネット広告の神」と評する声も(撮影:今井康一)

「平均的なネット広告の精度は62%だが、フェイスブック広告は95%以上で他を上回っている」。グローバルで広告事業統括するデビッド・フィッシャー副社長は今年5月に来日した際、実名制だから実現できるフェイスブック広告の強みを語っている。

業績ではサービスとしてのフェイスブックが存在感で突出しているが、利用者数で見た場合、実はそれ以外のサービスも負けてはいない。同社は主要4サービスを有しており、それらを合算すると、会社として「42億人のメディア」でもある。

株式上場前後から着実に利用者数を伸ばしているのは、月間利用者5億人(2016年6月時点)の写真共有アプリ「インスタグラム」だ。

高値掴みの悪評を払拭

2010年10月にサービスを開始し、2012年9月、10億ドルでフェイスブックに買収された。当時は「高値掴み」との声も多かったが、直近ではローマ法王や音楽バンド・レディオヘッド、ブラジルの元サッカー選手・ペレなど著名人の利用が広がっているほか、動画の視聴時間も増加している。

月間利用者が10億人に達するのは、ワッツアップ社のメッセンジャーアプリ「ワッツアップメッセンジャー」と、フェイスブックから派生した同じくメッセンジャーアプリ「フェイスブックメッセンジャー」だ(ワッツアップメッセンジャーは2016年2月時点、フェイスブックメッセンジャーは2016年7月時点)。

2009年5月に始まったワッツアップは、2014年10月に220億ドルでフェイスブックに買収され、その後安定的に成長を続けている。同社のジャン・コウムCEOは買収完了時点から被買収会社の中で唯一、フェイスブック本体の取締役を務めており、フェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグCEOからの信頼も厚い。

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