一度の逮捕歴も、一生「検索」され続けるのか グーグルへの削除要請が認められる条件は
検索サイト「グーグル」で自分の名前を検索すると、過去の記事で逮捕歴がわかってしまう――。男性がグーグル社に対して、過去の記事を表示しないよう求めた仮処分申し立てについて、東京高裁は7月中旬、削除を命じたさいたま地裁決定を取り消し、申し立てを却下する決定を下した。
さいたま地裁は2015年6月、男性の逮捕の記事の検索結果を削除するよう命じた。グーグル側がその削除要請の取り消しを求めて同地裁に異議を申し立てたが、同年12月に「忘れられる権利」を認めて、グーグル側に削除を命じる決定を下していた。
東京高裁が判断を示した3つのポイント
東京高裁の決定のポイントはどこだろうか。そして、今後、「忘れられる権利」はどうなるのか。ネット問題にくわしい神田知宏弁護士に聞いた。
「東京高裁の決定(平成28年7月12日)は、次の3つの論点について判断しています。
(1)グーグルに対する検索結果の削除請求は認められるか
(2)過去の逮捕報道はプライバシーなどを理由に削除請求できるか
(3)いわゆる「忘れられる権利」は認められるか」
それぞれどのように判断されているのだろうか。