どうする?「取引先との飲み会」の支払い方法 相手が払った時、割り勘にしたい時の対処法

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それでは民間企業の場合はどうだろう。

割り勘にしたい時に「会社のコンプライアンス上、ご馳走になれないんです」「社の規定で禁じられている」など、公務員同様、規定や規則があるというカタチで、支払いの申し出を断る人は少なくない。規定のせいにするのがもっとも角がたたない便利な方法だといえるだろう。

当然、会社に厳密な規則があればそれに従うべきだが、「過度な接待を受けてはいけない」といった規定を定めていても、常識の範囲内の飲み会については容認しているケースが多い。別の担当者が「そんな規則はありませんよ」という話をすれば、いままでウソを言っていたことがバレてしまう。また、一度規定を持ち出せば、あらゆる業者に対して断り続けなくてはならなくなる。はっきりした規定がない限り、安易に「規定」を持ち出すのは考えものだろう。

一方、自分が支払う立場になった時にそういわれると、「会社で禁じられていると紋切型に断られるのは感じが悪い」「ひょっとして断る口実で、自分と飲みたくないのかなと思ってしまう」といった声は少なくなかった。お互い仲良くなろうとしているのに、支払いがもとで人間関係にヒビを入れては意味がない。

割り勘主義は逆に迷惑なこともある

もっとも多かったのは、「こちらからもお誘いしたいので、割り勘でいきましょう」という前向きな提案型。

「ただし後日、本当に誘わなければ、ご馳走になるのを断るための方便だと思われます。誘う気がない相手なら割り勘の提案などしない。ご馳走になりたくないなら、『仕事が忙しいので』といって最初から参加をお断りするのがもっとも無難でしょう」(元銀行の役員秘書で現在、コンサルタント会社E&Cブリッジズの代表を勤める秋岡栄子さん)

悩ましいのは、「割り勘主義」が逆に迷惑だという声もあることだ。

「せっかく会社から経費を使う許可を取っていても、割り勘になれば自腹になってしまう」「割り勘でも自分の分だけ領収書を切ることは可能だが、いかにもセコくみえるので困る」などが代表的意見。確かに取引先との飲食回数が多い人にとっては、経費を使えるか使えないかはある種死活問題かもしれない。一方で、単に経費を使う口実をつくるために飲食を共にしてくれる取引先を探している人もいるので、判断は難しい。

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