心得その3は、「素直であれ」
そうは言っても、はじめから何のトラブルもなく、常連入りできる人はそういません。
楽しくて、テンションが上がりすぎて、興味のまま、隣の人に深入りしすぎた質問をしてしまう。あるいは、相手が社交辞令で返答しているだけなのに、「この人は自分の話を聞きたいんだ」と勘違いをして、半端な知識を延々と披露してしまう。
お酒がまわってくると、たいていのお客さまは、自分の世界に入っていかれますが、それでも、マナーがよく、バー経験の長い方は、ほかのお客さまに迷惑になりそうだと感じると、切り上げて席をお立ちになります。
延々と自分語りが止まらない方、あるいは相手の気遣いがわからずに話しかけ続ける方には、店側がさりげなく注意をします。ですが、マスターがお客さまに注意をすることは、店内の雰囲気を一気に気まずいものにしますので、できれば避けたいのが実情です。
おしゃべりが過ぎた時だけでなく、たとえば、手もとがぶれてグラスを割った、何らかの理由でトイレを汚してしまった、など、翌日、目が覚めたときに、「やっちゃった」と苦い思いがこみあげてきたら、とりあえず、「すみませんでした」と謝りに行きましょう。
仕事でも同じですが、経験の浅い若いうちは、何ごとにも失敗はつきもの。そのときに、「自分は悪くない」と開き直って他に原因を押し付けるのではなく、失敗を素直に認め、謝り、教えを請うことができれば、それは失敗ではなく、成長への大きな糧に変わるのです。
カウンターの内側から、いろいろなお客さまを見てきましたが、失敗を認め、謝ることのできる人は、必ず成長、成功しています。
失敗、これは、若い世代にのみ許される特権です。「すみません」を忘れずに、どんどん新しいことにトライしてください。あ、バーの話からそれちゃいました。
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