「若者の酒離れ」は本当か(上)

答えは「NO!」鍵は、万博世代の息子たち

こんにちは、矢田部です。東京、下北沢で「割らない酒」をコンセプトにしたバーをやっています。

万博世代(?)も気になってます、「若者の○○離れ」

今回は、キリンビールや宝酒造などの酒造メーカーが、酒に関する意識調査を始めた2004年頃から、しきりに語られ始めた「若者の酒離れ」、その真偽について、バー経営の現場で感じられる、実際に起きている変化、そして顧客への取材を通して、見えてきたことをお話ししたいと思います。

前半の今回は、日本が物質的に豊かになっていく様子を、自身の成長と共に実感。そして、社会人としてのキャリア形成が、プラザ合意以降の日本企業の海外進出と重なった、初の国際派サラリーマン世代のお客さまとそのご子息に登場していただきます。

実は、私もその世代なのですが、小学校入学前後に東京オリンピック、そして卒業前後に大阪万博を経験した、高度成長の申し子ともいえる昭和30年代前半生まれには、その前の「団塊の世代」のような、固有名詞がありません。

そこで、今回のテーマに限り、便宜的に、「万博世代」と名乗らせていただこうと思います。ポイントは、あらゆる意味で、一般人が、生(なま)の海外と出会った初めての世代だというところです。

後半の、「酒は大人の教養である」は、今回はお休み。代わりに、同世代の酒離れを憂う社会人1年目、ある若者の声をお届けします。

「万博世代」とカラーテレビ
冷蔵庫が電気製品になった、あのころ

団塊の世代とその息子・娘世代の間で、とかく埋もれがちな昭和30年~35年前後に生まれた世代。実は、日本が平和を謳歌する中で、物質的な豊かさを次々手に入れていく過程を、もっとも実感してきた世代です。

私自身のことで言えば、実家にあった最初の冷蔵庫は、上部に氷の塊を入れ、その冷気で冷やす原始的なスタイル。

洗濯機は、洗濯槽こそ水流が回転しましたが、脱水は手作業で、洗い終わった洗濯物を2本のローラーを通して絞るというものでした。

次ページ初めてカラーテレビで見たものは?
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