フジテレビの母が、現場職を続けられた理由 「がむしゃらに働く」を支える、”味方”を増やすには

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オープンマインドな藤村さんは、さらに、昨年6月から、家庭に大学生インターンを受け入れている。

「『スリール』という会社が始めた、将来的に仕事と育児を両立させたい学生が、両親共に働く家庭にインターンシップする取り組みです。受け入れ側のわれわれとしては、インターン生が、子どもと遊んでくれるし、習い事の送り迎えまでやってくれるので、とても助かる。学生さんと話す機会が増えて、見識も広がりますしね」 

働く母に、激務と閑職の”中間の職”を

仕事と育児の両立、そして生活の充実を目指して、あれもこれもと手を出しては、かえって収拾がつかなくなるワーキングマザーも多い中、藤村さんは混乱から活力を見出し、カオスの刺激を楽しんでいるようにさえ見える。

 それはたぶん、藤村さんの、残業や夜勤の多い職場も、「24時間やっている便利な職場」ととらえてしまう、また、「母親でいることをウリにしてしまおう」というほどの、プラス思考によるものなのだろう。

また、藤村さんは仕事とプライベートを明確に分けない。プライベートで行っているワーキングマザーの交流会を仕事に生かしたり、夜間の仕事中に子どもの面倒を見るために自宅に戻るなど、公私の境目は相当、あいまいだ。

このように、母親業が即、仕事に生かせる点、会社が臨機応変な働き方を容認してくれている点は、藤村さんが相当、恵まれている部分ではある。

だからこそ、藤村さんは、ワーキングマザーの悩みを代弁して、多くの会社に、こうリクエストする。

「多くの企業では、育休はもちろん、時短勤務制度が取得できるなど、女性社員の育児支援策は整備されました。しかし、現実には、時短勤務では、なかなかエキサイティングな仕事はできない。反対に刺激的で面白い仕事をするには、家庭を犠牲にして長時間労働するしかない。

つまり、ワーキングマザーの仕事には、閑職と面白い仕事のちょうど”中間”がないのです。今後は、家庭も面白い仕事もあきらめずにできる、中間の仕事が増えればいいなと、思います」

きっと多くのワーキングマザーが、うなずいてくれるのではないか。

(撮影:梅谷秀司)

 

佐藤 留美 ライター
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