フジテレビの母が、現場職を続けられた理由

「がむしゃらに働く」を支える、”味方”を増やすには

「0歳児検診に来ない母親の追跡調査を行い、虐待を未然に防ぐ保健師さんを特集したり、子どもの虫歯の多さで育児放棄を察知する歯科医さんを見つけたり。東日本大震災後には、被災地で拡大する産後うつについても大々的に取材しました。

待機児童の問題、世界最低レベルの日本の保育園の面積基準の問題、出生前診断などについても、私が母親だからこそ、他人事ではなく、自分事として、深く掘り下げて取材できたと思う。そして、自分が報道したことにより、放送後、役所や国が動いたり、世の中の認識が高まるなど反応があると、自分が仕事を続けた意義が少しはあるような気がして、辞められなくなるのですよね」

独身のときは、ただ「ひどい」と感じていた児童虐待の問題も、実際に母親になってみて、加害者の心境の一部を理解することができた。この視点があるからこそ、ただ、一方的に加害者のみを責めるのではなく、なぜそんな悲劇が起きてしまうのか社会問題として多面的に捉えることもできるわけだ。

参加者100人超、”ワーママの会”を結成

藤村さんが全力疾走するのは、仕事においてだけではない。プライベートでは、ワーキングマザーを束ねる交流会を作り、週末に頻繁に集まりを開催している。その参加者は親子50組、総勢100名を超えることもザラ。その告知はもちろん、場所探しから協賛企業集めまで、藤村さんが担当する部分も多い。

「そもそも、私が妊娠し、本当に仕事復帰できるのかと悶々としていたとき、私と同じテレビ業界で、夜勤のある仕事に就きながら育児を両立させた前例はあるのか、ネットで調べたことがあるんです。

そうしたら、関西のテレビ局で、カメラマンのワーキングマザーを見つけました。そして連絡を取ることができ、経験談を聞いて、安心したんです。こんな風に、がむしゃらに働いているワーキングマザー同士が交流できれば、お互い活力を得られるなと思ったんです」

通常の人脈交流会はだいたい夜に行われるし、貴重なプライベートな時間まで子どもと離れなくてはいけないのは不服だ。だったら、自分で作ってしまえ、と思ったのが会を立ち上げたキッカケだという。

これだけのワーキングマザー仲間がいれば、取材に応じてくれる母親を探す際にも役に立つ。そのうえ、同僚のディレクターにも、取材先を紹介することができるから、チームに貢献することもできる。そして何より、藤村さん自身が、仲間のワーキングマザーから、ハードワークと育児を両立させるエネルギーをもらっていると言う。

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